1 ポイントは何か?
本件は、日本国憲法、民法の新家族法制定後間もないころの、離婚の慰謝料請求権の根拠と、財産分与請求権との関係が問題となった事件であり、最高裁判所は、両請求権のいずれかを選択して請求することもできるとし、離婚の慰謝料請求権は重大な権利侵害を要件とはしないとした。
2 何があったか?
離婚した妻が夫に、離婚慰謝料を請求し、夫が、民法の財産分与請求権の規定があるから、離婚の慰謝料は身体、自由、名誉を害された場合で重大な権利侵害を要件とすると主張した。
3 裁判所は何を認めたか?
妻が勝訴した。
権利者は、財産分与請求権と離婚慰謝料請求権のいずれかを選択して行使することができる。財産分与は相手方の有責不法な行為を要件としないが、一切の事情を考慮する。離婚慰謝料は、相手方の有責不法な行為によって離婚するのやむなきに至ったことにつき、相手方に対して損害賠償請求することを目的とする。身体、自由、名誉を害された場合に限局するものではない。また、重大な権利侵害を要件とするものでもない。
4 コメント
本判決は、離婚慰謝料の根拠について、財産分与請求権が離婚慰謝料を含む場合もあるので、二重請求にならないように配慮する必要があるが、そうでなければ、不法行為や契約解除による損害賠償請求権の一般原則に従うべきことを示唆したものである(民法545条4項、415条、709条等)。
判例
昭和26(オ)469 慰籍料請求
昭和31年2月21日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却
原審 仙台高等裁判所
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