1 ポイントは何か?
複数の罪名に当たる行為
2 何があったか?
被告人が人を欺いて不正に補助金の交付を受ける等した。
検察官は、被告人を刑法246条1項の詐欺罪(法定刑は10年以下の懲役)で起訴した。
3 裁判所は何を認めたか?
被告人の行為は、補助金予算執行適正化法29条1項の補助金等不正受給等罪(法定刑は5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、又は、懲役及び罰金の併科)にも該当した。
裁判所は、その場合でも刑法上の詐欺罪を適用することを認めた。
4 コメント
一つの行為が二つの罪名に触れる場合は、最も重い刑が科されます(刑法53条)。本件の場合は、詐欺罪の刑が補助金予算執行適正化法の刑よりも重いのです。
特別法の刑に該当する場合でも、それよりも重い刑法上の刑にも該当するかどうか考えなければなりません。
以上
詐欺被告事件
最高裁判所第三小法廷 令和3年6月23日決定(棄却)
原審 高松高等裁判所
裁判所HP裁判例検索
090434_hanrei.pdf
刑事事件でお困りの方
被害届・刑事告訴を考えている方、犯罪者と間違われて困っている方、逮捕拘留されて困っている状況の方、また示談を希望している方に対して、弁護士は不可欠です。被害者とのコミュニケーション、無実を証明するための証拠収集、捜査機関との対応、そして示談交渉のサポートなど、川崎市の恵崎法律事務所が多岐にわたる問題を解決します。刑事事件に関するお悩みや疑問がございましたら、お気軽にご相談ください。