令和5(ワ)3101 損害賠償請求事件
令和7年4月25日 横浜地方裁判所
1 ポイントは何か?
責任能力
2 何があったか?
Xは令和4年7月9日、海水浴場で相当飲酒し酩酊していたが、妻が自分を置
いて帰宅したことを怒り、付近を歩いていたAら4名に後方から次々と体当た
り等して傷害を負わせ、Aら4名に後遺障害等の損害を発生させた。
Aら4名はXに対し損害賠償請求をした。
Xは、平成27年に高次脳機能障害を発症させ、極端に怒りっぽくなっており
、当日の飲酒の結果病的酩酊となり、責任能力がない状態で本件事件を起こし
たので、損害賠償責任を負わないと主張した。
3 裁判所は何を認めたか?
裁判所は、Xの行動は了解不可能とは言えず、完全責任能力を認め、Aら4名
に対する後遺障害を含む損害の賠償を命じた。
直、本件に関する刑事事件では懲役2年4月、執行猶予4年の判決を受けてい
た。
4 コメント
Xに責任能力があったか。一見了解可能な意識的行動にも見えるが、記憶の欠
落も見られるので離人症ないし解離性障害も疑われる。