1 ポイントは何か?
公職選挙法は、選挙の種類により、選挙運動用の葉書やビラを配布できる枚数等を制限しています。それに違反すると処罰の対象となります。それが憲法の保障する人権である表現の自由に違反しないかが争われました。
2 何があったか?
公職選挙法に違反して葉書やビラをまいた。
3 裁判所は何を認めたか?
公職選挙法のハガキやビラの枚数等の制限は憲法の保障する表現の自由に違反しない。
(本件判例が引用する先例判例)
公職選挙法243条1項3号(文書図画の頒布の制限違反の刑)、平成27年法律第60号による改正前の公職選挙法142条1項(文書図画の頒布の制限)の各規定が憲法21条に違反しないことにつき、「最高裁昭和43年 (あ)第2265号同44年4月23日大法廷判決・刑集23巻4号235頁)の 趣旨に徴して明らかである(最高裁昭和55年(あ)第1577号同57年3月23日第三小法廷判決・刑集36巻3号339頁参照)。なお、上記判断は、平成25年法律第10号による公職選挙法の改正によってインターネット等を利用する方法による選挙運動用文書図画の頒布が可能になったことによって直ちに影響を受けるものではない。」
4 コメント
パンフレット、書籍の配布については公職選挙法142条の2に、インターネット・メールの利用等については公職選挙法142条の3ないし7の規定がある。
判例
平成26(あ)1731 公職選挙法違反被告事件
平成27年12月1日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却
原審 広島高等裁判所 岡山支部