【公害事件:水俣病の防止、被害拡大のための規制を怠ったと主張した事件】

1 ポイントは何か?

  水俣病についての国や県の不作為責任や、不法行為損害賠償請求権の20年の除斥期間(平成29年改正前の民法724条後段、なお、同改正後は時効期間とされている。)の起算点が問題となった。

2 何があったか?

水俣病の患者らが国や県に対して国家賠償法に基づく損害賠償請求をした。

3 裁判所は何を認めたか?

原審大阪高等裁判所は、Ⅹ36、51及び52は除斥期間を経過しているとして請求を認めなかった。

最高裁は、原審大阪高裁判決のその部分を破棄し自判した。

国や県の不作為責任を認め、水俣病は、通常、発症に4年を要するから、転居した者は転居後4年経過後を除斥期間の開始日として。それ以後20年経過するまで損害賠償請求することができるとした。

4 コメント

   裁判所は水俣病患者の発症時期についての立証責任を軽減した。もし水俣病患者が転居後4年を経過していたとしても、実際に発症した日にちを診断書等で立証できれば、その時を除斥期間の開始時期として主張することが可能になるだろう。

判例

平成13(オ)1194  損害賠償,仮執行の原状回復等請求上告,同附帯上告事件
平成16年10月15日  最高裁判所第二小法廷  判決  その他