【交通事故刑事事件:出会いがしらに衝突した車両の一方が歩道にいた人を轢過し死亡させた事件】

1 ポイントは何か?

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条は、過失運転致死傷罪を7年以下の懲役または禁錮もしくは100万円以下の罰金

と規定している。但し、傷害の程度が軽いときは免訴とすることもできる。本件は、出会いがしらに衝突した車両の一方が歩道にいた人を轢過し死亡させた事件であり、両車両の運転者がいずれも懲役2年6月、執行猶予3年の刑に処せられた。

2 何があったか?

  A及びBが運転する両車両が出合い頭に衝突し、A運転車両が歩道にいた人Cを轢過した。Bの弁護人は、Cの死亡と因果関係があるのは、Aの過失行為だけであると主張した。

A車両が歩道に乗り上げた時誤ってアクセルを踏んだか否かも問題となった。

3 裁判所は何を認めたか?

  A及びBとも懲役2年6月、執行猶予3年の刑に処せられた。

  Aは、衝突後にアクセルを踏んだとは認定されなかった。

Aの過失行為に内在する危険が実現したのみでなく、Bの過失行為についても内在する危険が実現しCの死の結果が生じたのであり、いずれの過失行為にもCの死との相当因果関係があると認定された。

「実行行為とおよそ関係のない事情によって発生した結果により被告人を処罰することを回避するという因果関係の機能に照らすと、被告人Bの過失行為と被害者の死亡との因果関係の成否は、被害者の死亡という結果が被告人Bの過失行為に内在する危険が実現したことにより生じたといえるかという観点から検討するべきであり、かつ、それで足りるというべきである。」

4 コメント

  Aが誤ってアクセルを踏んでいたとしたら、Bの過失行為とAの轢過による歩行者の死亡との相当因果関係は切断されるのだろうか。必ずしもそうとは言えない。それも、Bの過失行為や予見可能性と無関係とはいえないという場合も考えられよう。

判例

令和5(わ)218  過失運転致死被告事件
令和5年10月31日  札幌地方裁判所

交通事故でお困りの方

交通事故に関する悩みや疑問をお持ちの方へ。思わぬ事故に遭われて、大変なショックを受けておられるかもしれませんが、どうか落ち込まないでください。前向きに考えてください。弁護士が様々な法律上のサポートをすることができます。交通事故裁判や交通事故示談金の交渉、交通事故労災の申請についても川崎市の恵崎法律事務所がサポートいたします。正確な知識と実績で、最適な解決を目指しましょう。お気軽にご相談ください。