【刑事事件:国の補助金が詐取された事件】

盛岡地方裁判所 令和6(わ)27  詐欺被告事件
令和7年3月26日 判決 


1 ポイントは何か?


量刑


2 何があったか?


農水省は、令和2年度品目横断的販売促進緊急対策事業(α事業)、及び、新
型コロナウイルス感染症の影響で需要先が消失した生産者等の支援や、販路を
失った国産農林水産物等の販路の多様化や開拓、流通構造の改革等を目的とす
る農林水産省所管の補助事業(β事業)の各実施主体としてB社を選定した。
国土交通省観光庁は、令和2年度第3次補正予算訪日外国人旅行者受入環境整
備緊急対策事業費補助金既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業(γ事業)
の補助事業者としてN社を指定し、訪日外国人旅行者周遊促進事業費補助金地
域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業(θ事業)の
補助事業者としてB社を選定した。
XはA社及びE社の代表者であるが、B社及びN社から同事業に係る補助金を
だまし取ろうと考え、A社代表者としてB社からα事業の補助金名目で
2044万3000円を詐取し、E社代表者としてB社からβ事業の補助金名
目で699万3000円並びに4087万5000円、及び、H社代表者Kと
共謀の上8243万円、N社からγ事業の補助金名目で1億1889万円、B
社からθ事業の補助金名目1億5550万円を各指定口座に振り込ませて詐取
した。
検察官はXを詐欺罪被告人として起訴し、懲役8年を求刑した。


3 裁判所は何を認めたか?


懲役7年


4 コメント


国の補助金にはいろいろあることに驚かされる。本件は、補助金名目で国の予
算が間接的に詐取された事件である。国も考えなければならない。