1 ポイントは何か?
共有権に基づく妨害排除請求権
2 何があったか?
亡丁の相続財産土地を相続人乙が単族相続の登記をし、第三者丙がその譲渡を受けて登記をした。他の相続人甲が、共有権に基づく妨害排除請求権に基づき、丙に対し更正登記手続を求めた。
3 裁判所は何を認めたか?
甲の勝訴。
原審名古屋高等裁判所は丙に対し、一部更正登記手続きを命じた。
最高裁判所は丙の上告を棄却した。
① 甲は登記なくして相続分を丙に対抗できる(大正8年11月3日大審院判決、民録25輯1944頁参照)。
② 甲が請求できるのは甲の持分についてのみの一部抹消(更正)登記手続でなければならない(大正10年10月27日大審院判決、 民録27輯2040頁、昭和37年5月24日最高裁判所第一小法廷判決、裁判集60巻767頁参照)。
③ 更正登記は実質において一抹部抹消登記であるから、原判決は甲の申立の範囲内でその分量的な一部を認容したもの。
④ 弁護士宛の訴訟委任状に「外2名」の記入漏れがあったが有効と認めた。
4 コメント
訴訟委任状は丁寧に書かなければなりませんね。
判例
昭和35(オ)1197 登記抹消登記手続請求
昭和38年2月22日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却
原審 名古屋高等裁判所
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