遺言、相続– category –
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【相続放棄事件:連帯保証人の相続人が相続放棄又は承認をせずに死亡後、その相続人が強制執行をうけた事件】
最高裁判所第二小法廷 平成30(受)1626 執行文付与に対する異議事件令和元年8月9日判決 原審大阪高等裁判所所 【1 ポイントは何か?】 民法916条の相続放棄の熟慮期間3カ月の始期は、被相続人が相続放棄ないし承認をしないで死亡した場合の再転... -
【相続放棄事件:判決正本が被告と10年音信不通であった子に対し送達された事件】
最高裁判所第二小法廷 昭和57(オ)82 貸金等 昭和59年4月27日 判決 民集第38巻6号698頁 【1 ポイントは何か?】 民法916条の相続放棄の熟慮期間3カ月の始期。 【2 何があったか?】 Bとその推定相続人Dは10年以上音信不通であった。XはAを... -
【取得時効:被相続人の自筆証書遺言があることを知らずに単独相続の登記をした養子が不動産を時効取得した事件】
【1 ポイントは何か?】 自筆証書による包括受遺者の相続回復請求権は取得時効を覆すか。 【2 何があったか?】 被相続人Zが、自筆証書遺言で、養子Y以外に甥のX及びAにも不動産持分を同等に分与する自筆証書遺言を残していたが、Xはそれ... -
【遺産関係:夫の父の療養看護をした妻が夫の弟に特別寄与料の分担を請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 無償で被相続人の療養看護をし、被相続人の財産を維持増加した親族(相続人、相続放棄者、欠格者,被廃除者は除く。)は、特別寄与者として、相続人に対し寄与に応じた額の特別寄与料の請求をすることができる(民法1050条... -
【遺言書の効力:自筆証書遺言に署名押印がなく、封印のある封筒と一体のものとも言えないとして無効とされた事件】
【1 ポイントは何か?】 自筆証書遺言は方式行為であり、全文、日付、氏名を自書しなければならないが、遺言書に押印がなくとも封筒の封じ目に押印がある場合に有効と認められる場合がある(最高裁平成6年6月24日第2小法廷判決・集民172号7... -
【遺言書の効力:遺言書の文面全体に赤斜線を引いた行為が遺言書の破棄に当たるとされた事件】
【1 ポイントは何か?】 遺言者が遺言書を故意に破棄した時は遺言の撤回とみなされる(民法1024条)、本件は、文面全体にひかれた1本の赤斜線は遺言尾撤回に当たるとされた事件である。 【2 何があったか?】 Aの作成した用紙1枚の自筆... -
【遺言書の効力:自筆証書遺言に花押を用いたが、押印とは認められなかった事件】
【1 ポイントは何か? 】 自筆証書遺言は要式行為であり、全文(最近の法改正で、財産目録は別)、日付、氏名を自書し押印しなければならない(民法968条)。本件は、押印の代わりに花押が用いられていたが、押印の要件を満たさないとされた。... -
【遺言の効力:自筆証書遺言に付された自筆以外の文字の財産目録に遺言者の署名押印がない場合の効力】
【1 ポイントは何か】 自筆証書遺言に付する財産目録は自筆でなくてもよくなった。ただし、各頁に遺言者の署名押印が必要である。その署名押印を欠いた場合の自筆証書遺言の効力はどうか。本件は、無効とはならない場合を認めた。 【2 何があった... -
【遺言の効力:遺言者が本文、氏名を自書し押印し、その8日後に当日の日付を自書した自筆証書遺言書の効力が争われた事件】
【1 ポイントは何か?】 遺言書の日付はその成立時期を明確にするためであるから真実遺言書が成立した日付であるべき。では、遺言書は、いつ成立したとみるべきか。本事例では、自筆証書遺言の遺言者が全文、氏名を自書し押印し、後日に日付を自書し... -
【遺言の効力:遺言者が本文、日付、氏名を自書し、その27日後に弁護士が立ち会いのもと押印した自筆証書遺言書の効力が争われた事件】
【1 ポイントは何か?】 遺言書は要式行為であり、自筆証書遺言は、全文、日付、氏名を自書し、押印しなければならない(民法968条)。その目的は、遺言者の真意を確保することにある。日付が真実の作成日ではない場合はどうか。本件判例は、原則... -
【非公開の事件:遺産分割調停、審判は公開法廷の対審によって行われる必要はないとされた事件】
【1 ポイントは何か?】 相続権、相続財産の存在を公開、対審の訴訟手続きで争うことはできるが、審判手続きで前提として決することもできる。 【2 何があったか?】 遺産分割調停が申し立てられた。 【3 裁判所は何を認めたか?】 調停... -
【遺産分割:相続人の一部が単独相続の登記をした上第三者に譲渡した事件】
【1 ポイントは何か?】 共有権に基づく妨害排除請求権 【2 何があったか?】 亡丁の相続財産土地を相続人乙が単族相続の登記をし、第三者丙がその譲渡を受けて登記をした。他の相続人甲が、共有権に基づく妨害排除請求権に基づき、丙に対し更... -
【遺産分割:相続人が遺言書で指定された持分と異なる法定相続分の登記がされているのを利用して第三者に法定相続分の譲渡の登記をした事件】
【1 ポイントは何か?】 相続登記の効力は公示力にとどまり公信力はない。 【2 何があったか?】 亡Dが遺言で相続土地の相続人Eの相続分を80分の13に指定していた。EはYに法定相続分4分の1を譲渡する所有権移転登記手続をした。 他の相... -
【遺産分割:遺言の執行として受遺者に所有権移転仮登記をしていた事件】
【1 ポイントは何か?】 遺言書について遺言執行者がある場合の遺言執行者の権利義務が問題となった事例である。訴訟では、遺言執行者がいても、遺言執行者を訴訟の相手方にしてはならない場合もある。 【2 何があったか?】 被相続人の遺言書... -
【遺産分割:相続人の一人が旧遺言書に基づいて相続財産土地の全部を一旦自分の単独相続として登記し、その後新遺言書に基づいて他の相続人に一部の土地に真正なる名義回復の登記をした事件】
【1 ポイントは何か?】 遺言執行者の権利義務 民法1040条1項本文の類推適用 権利濫用、寄与分の抗弁 【2 何があったか?】 被相続人亡Dの相続人は子らであるE、B3、F、C(補助参加人)、G、H、養子A1(B3の子)、長男亡... -
【遺産分割:相続人の一人が偽造の遺産分割協議書を利用して自分の単独相続として登記し第三者に譲渡した事件】
【1 ポイントは何か?】 遺言執行者が相続財産土地について遺言に反する登記がされているとして抹消登記手続を求めることができるか。 【2 何があったか?】 亡Bは平成20年に死亡し、相続人は妻Aと子らF(参加人)及びCであったがCは相続放棄... -
【時効・除斥期間:殺人20年以上経過後に相続人が加害者に対し損害賠償請求をした事件】
【1 ポイントは何か?】 不法行為の消滅時効と除斥期間 不法行為から20年が経過したことによって,民法724条後段の除斥期間の規定に基づき損害賠償請求権が消滅するか否か 【2 何があったか?】 昭和53年8月14日EがAを殺害し自宅の... -
【相続事件:生命保険金等を相続人の特別受益に加えなかった事件】
【1 ポイントは何か?】 遺産分割協議における養老保険金、養老生命共済金の扱い。 【2 何があったか?】 甲と乙の子はA及びBらである。 乙は乙の死亡によりAを受取人とする養老保険2口合計約570万円をかけた。 甲は乙の死亡... -
【相続事件:相続放棄が認められた事件】
【1 ポイントは何か?】 相続放棄の熟慮期間3カ月の起算点 【2 何があったか?】 Cは、父BのきょうだいAの負債について自己に再転相続が開始したことを知った時から3カ月以内に家庭裁判所にAの再転相続についての相続放棄の手続きをとった。 ... -
【財産管理:家庭裁判所に実母の財産の管理者の選任の申立をした申立人が管理者提出の調査報告書の閲覧謄写を申立てた事件】
【】 家庭裁判所に実母の保佐開始審判前の保全処分として管理者選任の申立をした申立人は、選任された管理者が家庭裁判所に提出した報告書の閲覧謄写を申立てることができるか。 【】 家庭裁判所に実母の保佐開始の申立をした申立人が、保佐開始ま... -
【相続関連:立木売買の代理権授与の意思表示ないし黙示の意思表示がなかったと認定した事例】
昭和26(オ)256号 所有権確認妨害排除請求昭和28年9月11日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 原審 広島高等裁判所 (裁判所HP・裁判例検索) 073652_hanrei.pdf (courts.go.jp) 【】 ⑴ 立木売買の代理権授与の意思表示の有無。 ⑵ ... -
【相続:被相続人が生前に取得した債務名義により、相続人らが、建物収去土地明渡の強制執行をした事件】
昭和35年(オ)第201号 請求異議上告事件最高裁判所第一小法廷昭和36年3月2日判決(上告棄却) 原審 東京高等裁判所 (最高裁HP、裁判例検索) 【】 ⑴ 債務名義。 ⑵ 可分債権と不可分債権。 ⑶ 不可分債権の相続。 ⑷ 不可分債権の準共有。... -
【相続:遺言書もなく、相続人もいない事件】
特別縁故者に対する相続財産分与申立事件(第1事件、第2事件) 山口家裁周南支部令和3年3月29日審判 (判例時報2527号80頁) 【】 特別縁故者への相続財産の分与の手続。 【】 R(昭和34年生まれ、婚姻歴なし、子らももうけなかった。)が... -
【家庭裁判所で養親がしたすでに死亡した養子との離縁の許可申立が却下され、高裁の抗告手続で逆転し許可された事例】
〇大阪高裁令和3年3月30日決定、判例時報2519号49頁 【】 家庭裁判所の死後離縁許可審判の基準はなにか。。 【】 養親と死亡した養子の子が家業の経営で対立し、関係が悪化したことから、養親が養子の子との法定親族関係を切るために、...
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