1 ポイントは何か?
嫡出子と非嫡出子の社会的差別
住民票の世帯主母の非嫡出子の続柄の記載
住民基本台帳法3条2項
住民基本台帳法 | e-Gov法令検索
2 なにがあったか?
武蔵野市長が住民票の世帯主母Aと非嫡出子Bの続柄を国が定めた事務処理要領に従って「子」とのみ記載した。
AとBは、武蔵野市長に対し、同記載の取消しと国家賠償法に基づく損害賠償請求をした。
3 裁判所は何を認めたか?
AとBの敗訴。
住民票の続柄の記載には取消の対象となる行政処分性はないので抗告訴訟の対象とならない。
「市町村長が住民票に法定の事項を記載する行為は、たとえ記載の内容に当該記載 に係る住民等の権利ないし利益を害するところがあったとしても、そのことから直ちに国家賠償法一条一項にいう違法があったとの評価を受けるものではなく、市町村長が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と右行為をしたと認め 得るような事情がある場合に限り、右の評価を受けるものと解するのが相当である (最高裁平成元年(オ)第九三〇号、第一〇九三号同五年三月一一日第一小法廷判 決・民集四七巻四号二八六三頁参照)。」
4 コメント
榊原富士子、林陽子、福島瑞穂ら弁護士がAおよびBの代理人。
判例
住民票記載処分取消、損害賠償
最高裁平成11年1月21日第1小法廷判決・判例タイムズ 1002号94頁参照
原審 東京高等裁判所