1 ポイントは何か?
法律上の争訟
2 なにがあったか?
地方議会議員が出席停止の懲罰決議を受け、裁判所に取消しを求めた。
3 裁判所は何を認めたか?
A敗訴。
自律的な法規範をもつ社会ないしは団体に在つては、当該規範の実現を内部規律の問題として自治的措置に任せ、必ずしも、裁判にまつを適当としないものがある。本件における出席停止の如き懲罰はまさにそれに該当するものと解するを相当とする。
(尤も昭和三五年三月九日大法廷判決―民集一四巻三号三五五頁以下 ―は議員の除名処分を司法裁判の権限内の事項としているが、右は議員の除名処分 の如きは、議員の身分の喪失に関する重大事項で、単なる内部規律の問題に止らな いからであつて、本件における議員の出席停止の如く議員の権利行使の一時的制限 に過ぎないものとは自ら趣を異にしているのである。従つて、前者を司法裁判権に 服させても、後者については別途に考慮し、これを司法裁判権の対象から除き、当 該自治団体の自治的措置に委ねるを適当とするのである。)
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本判例は、下記判決により変更された。参考のために要約した。
平成30(行ヒ)417 出席停止処分取消等請求事件
令和2年11月25日 最高裁判所大法廷 判決 棄却 原審 仙台高等裁判所
判例
昭和34(オ)10 懲罰決議等取消請求
昭和35年10月19日 最高裁判所大法廷 判決 棄却 東京高等裁判所