【地方議会議員の事件:地方議会議員が出席停止の懲罰決議を受けた事件】

1 ポイントは何か?

  岩沼市議会定例会の回数に関する条例(昭和31年岩沼市条例第78号)岩沼市議会定例会の回数に関する条例 (city.iwanuma.miyagi.jp)

岩沼市議会会議規則(平成7年岩沼市議会規則第1号)岩沼市議会会議規則 (city.iwanuma.miyagi.jp)

地方自治法135条1項3号所定の出席停止の懲罰地方自治法 | e-Gov法令検索

最高裁大法廷昭和35年10月19日判決裁判例結果詳細 | 裁判所 – Courts in Japan

2 何があったか?

  岩沼市議会の議員Aが海外渡航のため委員会を欠席し、議院運営委員会で陳謝分を読み上げたが、のちに「政治的妥協だ」などと発言したことにより市議会から科された23日間の出席停止の懲罰が違憲,違法であるとして,市議会を相手に,その取消しを求めるとともに,議会議員の議員報酬,費用弁償及び期末手当に関する条例(平成20年岩沼市条例第23号)に基づき、議員報酬のうち本件処分による減額分の支払を求めた。

3 裁判所は何を認めたか?

 ⑴ 第1審地方裁判所

       Aの請求を却下。

 ⑵ 原審 仙台高等裁判所

       第1審地方裁判所の判決を取り消し、第1審に差し戻した。

       Aは上告し、大法廷昭和35年10月19日判決を引用した。

 ⑶ 最高裁判所

       上告棄却。

       普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否は,司法審査の対象となるというべきである。これと異なる趣旨をいう所論引用の当裁判所大法廷昭和35年10月19日判決その他の当裁判所の判例は,いずれも変更すべきである。

4 コメント

  大法廷判例変更事案。

判例

平成30(行ヒ)417  出席停止処分取消等請求事件

令和2年11月25日  最高裁判所大法廷  判決  棄却  原審 仙台高等裁判所