行政・年金– category –
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【行政事件:障害者が自立支援給付金の申請却下を争った事件】
最高裁判所第一小法廷 令和5(行ヒ)276 行政処分取消等請求事件令和7年7月17日判決(原審、東京高等裁判所)094297_hanrei.pdf 【1 ポイントは何か?】 介護保険給付優先の原則の下での障害者自立支援給付のあり方。 【2 何があったか?】 Aは、➀両... -
【事務管理事件:産業廃棄物処分場の汚染処理の費用を請求した事件】
最高裁判所第一小法廷 令和5(受)606 事務管理費用償還等請求事件 令和7年7月14日判決(原審、名古屋高等裁判所金沢支部) 【1 ポイントは何か?】 産業廃棄物処分場の汚染処理の費用の分担。 【2 何があったか?】 産業廃棄物最終処分場を設置する... -
【生活保護事件:生活保護基準引き下げ処分を取消した事件】
最高裁判所第三小法廷 令和5(行ヒ)397 生活保護基準引下げ処分取消等請求事件令和7年6月27日判決(原審、大阪高等裁判所) 【1 ポイントは何か?】 厚生労働大臣の裁量権 【2 何があったか?】 厚生労働大臣が平成25年から27年にかけて、委員会... -
【国賠事件:拘置所の勤務医らが被勾留者のベーチェット病につき診療上の過誤があるとされた事件】
東京地方裁判所平成10年(ワ)第10130号損害賠償請求事件平成15年2月13日判決 【1 ポイントは何か?】 拘置所の勤務医、検察官、裁判官のそれぞれの注意義務 【2 何があったか?】 ⑴ 平成4年Aは7月14日久留米大学病院眼科において再... -
【行政事件:指定都市の小売市場の許可制を憲法違反であると争った事件(大阪府)】
最高裁判所大法廷昭和45(あ)23小売商業調整特別措置法違反昭和47年11月22日判決 刑集第26巻9号586頁(原審大阪高等裁判所昭和44年11月28日判決) 【1 ポイントは何か?】 指定都市の小売市場許可制と憲法22条1項、14条1項、25条。 【2 なにが... -
【地方公務員事件:町村合併に当り55歳以上の旧町村長等を待命処分とした事件】
最高裁判所大法廷 昭和37(オ)1472 待命処分無効確認、判定取消等請求 昭和39年5月27日 判決 民集 第18巻4号676頁(原審 名古屋高等裁判所金沢支部 昭和37年10月17日判決) 【1 ポイントは何か?】 年齢による差別。 【2 何があったか?】 C町長は、... -
【行政事件:持続化給付金等を特殊風俗営業の事業者に給付しないことが平等原則に反すると争った事件】
最高裁判所第一小法廷 令和6(行ツ)21 持続化給付金等支払請求事件 令和7年6月16日判決(原審、東京高等裁判所) 【1 ポイントは何か?】 新型コロナウイルス対策に国が策定した中小向け持続化給付金、及び家賃支援給付金と憲法の平等原則及び職業選... -
【民事執行事件:仮執行宣言付支払督促に基づく強制執行に対する異議申立をした事件】
福岡地方裁判所 令和6(ワ)4227請求異議事件 令和7年5月13日判決(支払督促、福岡簡易裁判所) 【1 ポイントは何か?】 支払督促に対する請求異義 【2 何があったか?】 Xは氏名不詳者らの架空の投資話を誤信し1億2000万円を指定口座に送金し... -
【年金事件:障害基礎年金受給により児童扶養手当が停止された事件】
最高裁判所第三小法廷 令和6(行ツ)54 児童扶養手当支給停止処分取消請求事件 令和7年6月10日判決(原審、大阪高等裁判所判決) 【1 ポイントは何か?】 障害基礎年金受給者の児童扶養手当支給停止は憲法違反ではないか。 (この点については、その後... -
【行政情報事件:消費者庁に機能性表示食品検証事業報告書の開示を求めた事件】
最高裁判所第三小法廷 令和6(行ヒ)94 行政文書不開示処分取消等請求事件令和7年6月6日判決(原審、東京高等裁判所) 【1 ポイントは何か?】 機能性表示食品検証事業報告書の開示は消費者庁の事務を困難にするか。 【2 何があったか?】 消費者庁... -
【行政情報事件:警察庁に個人情報管理簿の開示を求めた事件】
最高裁判所第三小法廷 令和5(行ヒ)335 警察庁保有個人情報管理簿一部不開示決定取消等請求事件令和7年6月3日判決 (原審、東京高等裁判所) 【1 ポイントは何か?】 国民主権、判断基準時、情報単位 【2 何があったか?】 Aが警察庁長官に対... -
【生活保護事件:有資力者への生活保護費返還請求が認められなかった事件】
東京高等裁判所 医療費返還請求事件 令和2年6月X日判決出典は総務省131回行政改善推進会議の資料 【1 ポイントは何か?】 生活保護費の返還請求に応じる必要があるか。 【2 何があったか?】 Aは認知症で身寄りがなく病院に運ばれ即時入院とな... -
【生活保護事件:生活保護費の一部返還決定の取消しを求めた事件】
平成28(行ウ)161 生活保護費の徴収及び返還取消し請求事件平成29(行コ)186 生活保護費の徴収及び返還取消し請求控訴事件 【1 ポイントは何か?】 生活保護費の返還請求に応じる必要があるか。 【2 何があったか?】 Aは生活保護を受給していたが... -
【生活保護事件:誤支給された生活保護費の返還決定の取消しを求めた事件】
東京地方裁判所 平成27(行ウ)625 生活保護返還金決定処分等取消請求事件 平成29年2月1日判決 【1 ポイントは何か?】 誤支給生活保護費の返還請求に応じる必要があるか。 【2 何があったか?】 Aは生活保護を受給していたが、東京都の福祉事務所の... -
【行政事件:泉佐野市が国を相手に特別地方交付税の減額を争った事件】
最高裁判所第一小法廷 令和5(行ヒ)297 特別地方交付税の額の決定取消請求事件 令和7年2月27日判決(破棄差戻)原審大阪高等裁判所原原審大阪地方裁判所 【1 ポイントは何か?】 地方公共団体が国を相手に法律の適切な執行を求める訴訟を起こせるか。... -
【行政訴訟:公文書の非公開部分の一部を公開した事件】
大阪高等裁判所令和5(行コ)57 公文書一部不開示決定取消等請求控訴事件令和6年5月9日 判決(破棄自判)原審 大津地方裁判所 【1 ポイントは何か?】 非公開情報該当性 【2 何があったか?】 新聞記者Aは、S県知事に対し、S件情報公開条例... -
【中国残留邦人行政事件:中国残留邦人等の一時金を申請した事件】
札幌高等裁判所 令和5(行コ)14 一時金申請却下処分取消請求控訴事件 令和6年5月10日判決(破棄自判) 原審 札幌地方裁判所 【1 ポイントは何か?】 中国残留邦人等の一時金の申請資格 【2 何があったか?】 Aは、昭和25年以降に樺太で... -
【行政訴訟:辺野古の埋立に反対する市民4名が国を被告として提起した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件抗告訴訟を申立てた市民4名の原告適格の有無 【2 何があったか?】 防衛省沖縄防衛局長が、沖縄県知事に辺野古の埋立の承認を求め、元知事により一旦は承認されたが、新知事に代わり、その承認が取消された。防衛... -
【親族:凍結精子で生まれた子の父親が法的性別を女性に変更していた事件】
【1 ポイントは何か?】 性同一性障害で法的性別を女性に変更した元男性が父親として認知する資格があるか。 【2 何があったか?】 Aは、性同一性障害であり、審判により法的性別を女性に変更した。Bが、Aの同意のもと、Aの凍結精子で非嫡... -
【地方税:市長が仮換地の固定資産税の「みなす課税」を怠ったことが違法とされた事件】
【1 ポイントは何か?】 市長の権限 【2 何があったか?】 A市のB市長は、同市内の土地区画整理法に基づく土地区画整理事業による仮換地の使用収益開始の通知による使用収益開始可能日の到来後も、地方税法343条7項及び同市税条例に基... -
【公職選挙法:区長選挙への立候補を禁止した事件】
【1 ポイントは何か?】 選挙違反の連座制。 【2 何があったか?】 Aは、東京都B区の区長選挙に際し、立候補者である被告の選挙運動者らに票の取りまとめを依頼し報酬を払うなどして公職選挙法221条1項1号及び3号、1号の罪を犯し、... -
【公務災害認定:町職員が公務に起因して抑うつ状態(適応障害)になった事件】
【1 ポイントは何か?】 何を基準に公務の危険性の有無や公務起因性を判断するか。 【2 何があったか?】 Aは、H町職員であったが、公務に起因して抑うつ状態(適応障害)を発症(以下、「本件災害という。」したと... -
【行政処分:トラックの運転手が運転免許証の更新のとき、過去の反則はなかったと主張した事件】
【1 ポイントは何か?】 シートベルト無装着の反則の有無。 【2 何があったか?】 トラックの運転手が交差点を曲がるとき、付近に停車していたパトカーの警察官複数名が、トラック運転手のシートベルト無装着を現認した... -
【犯罪被害者給付金:同性事実婚の関係にある者から犯罪被害者給付金を請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 同性事実婚の関係にある者が公安委員会に犯罪被害者給付金を請求できるか。 【2 何があったか?】 犯罪被害により死亡したAと同性事実婚の関係にあったXから愛知県公安委員会に対し、犯罪被害者遺族給付金の支給を求め... -
【住民訴訟:市が非常勤職員に退職慰労金を支払ったことは給与条例主義に違反しているとして住民訴訟が提起された事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、大阪府大東市の市長らが、市の要綱に基づいて非常勤職員らに退職慰労金を支払ったことが、地方自治法の給与条例主義(204条3項、204条の2等)に反しているとして、市の執行機関に対し、市長らに損害賠償請求... -
【国籍取得:両親が結婚していなくても、日本人の親が18歳未満の子を認知し法務大臣宛に国籍取得届をすれば日本国籍を取得するとした事件】
【1 ポイントは何か?】 国籍法は、出生、認知、帰化の3種類の国籍取得方法を定めている。認知による国籍取得は、現在の国籍法では、日本人の親が18歳未満の子を認知し、法務大臣に国籍取得届をすればよい(2条1号)。しかし、旧規定では、認知... -
【情報公開:市民団体の名古屋市に対する名古屋城木造再建計画の市政情報の開示請求が一部認められた事件】
【1 ポイントは何か?】 名古屋市情報公開条例(*)は、名古屋市が保有する情報の公開を図り、市民の知る権利を守るために制定された。但し、同条例7条が定める非公開情報に該当する場合は除かれる。本件は、名古屋城天守閣木造復元事業に関し、市... -
【年金請求:視力障害者が障害年金と児童扶養手当の併給を求めた事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、視力障碍者が障害年金と児童扶養手当の併給を求めて却下され争った事件であり、裁判所は児童扶養手当法43条3項2号(昭和48年法律で廃止)の併給調整条項は憲法に違反しないとして視力障害者が敗訴した。 【2... -
【老齢年金:老齢年金(国民年金の老齢基礎年金及び厚生年金の老齢厚生年金)の減額改定を争った事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、厚生労働大臣による老齢年金(国民年金法上の老齢基礎年金及び厚生年金保険法上の老齢厚生年金)の平成25年以降の年金額減額決定の効力が争われ、年金受給者が敗訴した事件である。 【2 何があったか?】 老... -
【不当利得事件:大阪市が当選無効となった市会議員に対し議員報酬の返還を求めた事件】
【1 ポイントは何か?】 公職選挙法251条は、選挙犯罪で有罪が確定した者の当選を無効とする。本件は、市会議員の当選が、同条により無効となり、市から議員報酬等の不当利得返還請求訴訟が提起され、最高裁判所によって認められた事件である。 ... -
【生活保護行政事件:生活保護受給者らが保護変更決定を争った事件】
【1 ポイントは何か?】 厚生労働大臣は、生活保護法による生活保護の基準を定め、各地方自治体が同基準に基づいて生活保護費を決定することになっている。被告広島市等は、保護の基準の平成25年の改定に基づき原告ら被保護者の保護変更決定を行っ... -
【公職選挙法刑事事件:被告人が選挙期間、文書図画頒布の制限規定に違反した事件】最高裁令和5(あ)976
【1 ポイントは何か?】 公職選挙法は選挙期間及び文書図画頒布の制限規定を設けている。本件は、被告人がこれら規定に違反して選挙運動を行い、刑事責任を問われた事件であり、最高裁判所は従前どおり、これらの制限規定は憲法の保障する基本的人権... -
【行政処分事件:映画制作会社が映画出演者のコカイン使用による有罪判決にもかかわらず芸術文化振興基金の助成金を勝ち取った事件】最高裁判決
【1 ポイントは何か?】 映画制作会社が、独立行政法人日本芸術文化振興会理事長に対し映画の制作についての助成金交付要望書を提出したところ、同会の芸術文化振興基金運営委員会はこれを採択するとの答申をし、内定を通知したのに、理事長が支給し... -
【行政処分事件:映画制作会社が映画出演者のコカイン使用による有罪判決にもかかわらず芸術文化振興基金の助成金を請求したが敗訴した事件】東京高裁判決
【1 ポイントは何か?】 映画「宮本から君へ」の制作活動について出演者のひとりがコカイン使用で有罪となったことから、同出演者の出演時間は129分の内11分に過ぎないがストーリーの上で重要な役割を果たしている等からみて、同映画への助成金... -
【行政処分事件:映画制作会社が映画出演者のコカイン使用による有罪判決にもかかわらず芸術文化振興基金の助成金を勝ち取った事件】東京地裁判決
【1 ポイントは何か?】 映画「宮本から君へ」の制作活動について出演者のひとりがコカイン使用で有罪となったことを理由とする日本芸術文化振興基金の助成金不支給処分が取消された事例である。なお東京高裁では本件東京地裁判決が取り消されたが、... -
【地方議会議員の事件:地方議会議員が出席停止懲罰決議を受けた事件2】
【1 ポイントは何か?】 法律上の争訟 【2 なにがあったか?】 地方議会議員が出席停止の懲罰決議を受け、裁判所に取消しを求めた。 【3 裁判所は何を認めたか?】 A敗訴。 自律的な法規範をもつ社会ないしは団体に在つては、当... -
【地方議会議員の事件:地方議会議員が出席停止の懲罰決議を受けた事件】
【1 ポイントは何か?】 岩沼市議会定例会の回数に関する条例(昭和31年岩沼市条例第78号)岩沼市議会定例会の回数に関する条例 (city.iwanuma.miyagi.jp) 岩沼市議会会議規則(平成7年岩沼市議会規則第1号)岩沼市議会会議規則 (ci... -
【選挙事件:衆議院のいわゆる重複立候補制の選挙の無効が主張された事件】
【1 ポイントは何か?】 衆議院のいわゆる小選挙区比例代表並立制 重複立候補制 【2 何があったか? 】 いわゆる小選挙区比例代表並立制に依拠してされた平成8年10月20日施行の衆議院議員総選挙 のうち東京都選挙区における比例代表選挙... -
【選挙事件: 衆議院の人口較差が2倍を超える選挙の無効が主張された事件】
【1 ポイントは何か?】 衆議院のいわゆる小選挙区比例代表並立制 区割り、人口較差、1票の価値 【2 何があったか? 】 いわゆる小選挙区比例代表並立制に依拠してされた平成8年10月20日施行の衆議院議員総選挙のうち東京都第8区における... -
【選挙事件:参議院比例代表と選挙区の選挙の無効が主張された事件2】
【1 ポイントは何か?】 参議院の非拘束名簿式比例代表制 【2 なにがあったか?】 非拘束名簿式比例代表制に依拠する平成13年7月29日施行の参議院(比例代表選出)議員の選挙は憲法15条及び43条1項に違反し無効であるとして選挙無効... -
【選挙事件:参議院比例代表の選挙の無効が主張された事件】
【1 ポイントは何か?】 公職選挙法 【2 何があったか?】 原告らは、令和元年7月21日に施行された参議院議員通常選挙 のうち比例代表選出議員の選挙は無効と主張した。 【3 裁判所は何を認めたか?】 参議院(比例代表選出)議員の選挙... -
【選挙事件:参議院比例代表と選挙区の選挙の無効が主張された事件】
【1 ポイントは何か?】 公職選挙法 【2 何があったか?】 原告らは、令和4年7月10日に行われた参議院議員通常選挙は、比例代表選出議員の選挙に関しいわゆる特定枠制度を定める公職選挙法の規定は憲法43条1項に違反し、また、参... -
【約款:養老生命共済契約の約款に基づく仲裁契約が有効とされた事件】
【1 ポイントは何か?】 仲裁人の選定を第三者に任せる約款 【2 何があったか?】 甲と乙は甲を共済者、乙を契約者として養老生命共済契約を締結した。 その合意した約款に当事者間に紛争が生じた場合、第1に当事者間の協議、第2... -
【生活保護:福祉事務所長が生活保護不正受給者に対して費用徴収額決定をした事件】
【1 ポイントは何か?】 不正受給した生活保護費の返還の際の基礎控除の要否 【2 何があったか? 】 福祉事務所長は甲を世帯主、その長男乙を世帯員として生活保護の開始を決定した。 しかし、甲は乙の勤労収入を知りながら所定の届出をし... -
令和4年生活保護関連行政裁判例
番号 判決年月日 裁判所 事件名 結論 事案 論点 備考 1 令和4年10月19日 山口地裁 生活保護廃止決定処分取消請求 処分取消 生活保護受給者Xが、二男の就労収入の不申告を理由とする生活保護廃止決定処分の取消しを求めた。 ⑴裁量権の逸脱・濫用 PDF ...
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