最高裁判所大法廷 昭和37(オ)1472 待命処分無効確認、判定取消等請求 昭和
39年5月27日 判決 民集 第18巻4号676頁
(原審 名古屋高等裁判所金沢支部 昭和37年10月17日判決)
1 ポイントは何か?
年齢による差別。
2 何があったか?
C町長は、地方公務員法に基づき制定されたB町待命条例に基づきB町職員定
員条例による定員を超過する職員の整理を企図して合併前の町村長等や建設課
長Aを含む55歳以上の約10名を待命処分とした。Aは、当時66歳であった
。
Aは、高令であることを理由にした本件待命処分は、社会的身分により差別
をしたものであつて、憲法14条1項及び地方公務員法13条に違反すると主
張した。
3 裁判所は何を認めたか?
A敗訴。
原審は、高令であることは社会的身分に当らないとした。
最高裁の主文は「本上告論旨は理由がない」であった。
「右各法条は、国民に対し絶対的な平等を保障したものではなく、差別すべ
き合理的な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるか
ら、事柄の性質に即応して合理的と認められる差別的取扱をすることは、なん
ら右各法条の否定するところではない」とし、「Aは当時66歳で、しかも、そ
の勤務成績が良好でないこと等の事情をも考慮の上、Aに対し本件待命処分に
出たことは、任命権者に任せられた裁量権の範囲を逸脱したものとは認められ
ず、高令であるAに対し他の職員に比し不合理な差別をしたものとも認められ
ないから、憲法14条1項及び地方公務員法13条に違反するものではない」
とした。
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本判例は、憲法21条の法の下の平等原則のリーディング・ケースとなった
。