株主総会議事録閲覧謄写請求事件 令和3年7月5日 最高裁第二小法廷判決
(裁判訴HP)
090461_hanrei.pdf (courts.go.jp)
法曹時報第75巻第5号131頁に解説がある。
1 ポイントは何か?
株式買い取り請求をした株主は、会社の「債権者」として株主総会議事録の閲覧謄写請求ができるか。
2 何があったか?
会社に対して株式買い取り請求権を行使して代金請求の債権者となった元株主が、 会社から代金の仮払いを受けたが、まだ、代金額の正式な協議は整っていなかった。元株主から会社に株主総会議事録の閲覧謄写を求めた。
会社は、すでに代金を払った以上、元株主はもはや債権者でもないと主張して、その株主総会議事録の閲覧謄写を拒否した。
3 裁判所は何を認めたか?
裁判所は、元株主から会社に対する閲覧謄写請求を認めた。
会社が仮の株式買い取り代金を支払ったとしても正式な代金額が未定の場合は、まだ債権者として保護されるべきだという。
当事者間の代金協議が整わない場合、株式価格を定める訴訟もあるが、裁判所には一定の裁量権があり、過去のある時期に客観的に定まった価額を見つけるだけではないので、確定するまでは債権者性が残るという。
4 コメント
会社の株主や債権者には、株主総会議事録だけでなく、会社の帳簿類なども閲覧謄写できます。但し、悪用の可能性があるものやプライバシーの侵害のおそれがあるものは含まれません。
以上