中小企業法務– category –
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【会社事件:会長職を解任された原告が取締役会の決議無効確認と会長報酬を請求した事件】
大津地方裁判所 令和5(ワ)285 取締役会決議無効確認請求 令和6年10月31日 判決 【1 ポイントは何か?】 被告Y会社の10パーセント以上の議決権を有する株主Z会社が、現会長Xの解任を提案した。 【2 何があったか?】 大株主Z会社の提案に... -
【中小企業協同組合:タクシー事業協同組合が総代会で一部の協同組合員を除名した事件】
【1 ポイントは何か?】 中小企業協同組違法に基づいて設立されたタクシー事業協同組合の総代会において労働組合に協力的な協同組合員を除名したが、裁判所が除名の効力を認めなかった事件である。 【2 何があったか?】 タクシー事業協同組合... -
【不服申立不可の事件:会社更生計画認可決定に対し抗告を申し立てた事件】
【1 ポイントは何か?】 会社更生計画認可決定に対する抗告はできない。 【2 何があったか?】 裁判官が会社更生計画の認可を決定した。 【3 裁判所は何を認めたか】 最高裁判所は、更生計画認否の決定に不服の申立ができないとして、特別抗... -
【非公開の事件:過料の裁判は公開法廷の対審によって行われる必要はないとされた事件】
【1 ポイントは何か?】 民亊法違反に過料を科されることがあるが、過料の裁判は公開で行われる必要はない。 【2 何があったか?】 会社の登記事項の変更手続の期間を徒過し過料の制裁を受けた。 【3 裁判所は何を認めたか?】 「現行法は... -
【倒産事件:倒産会社の債権者集会において債権者委員会が選任された事件】
【1 ポイントは何か?】 破産手続の最高意思決定機関は債権者集会であるが、そこで債権者委員会が選任された場合の同委員会の権限をどう考えるかが問題となった。 【2 何があったか?】 倒産したD工務店の債権者集会で債権者委員会が選任された。... -
【倒産事件:平成16年破産法制定前の事件で破産宣告後に国税滞納処分による差押処分が行われた事件】
【1 ポイントは何か?】 破産宣告後の国税滞納処分による差押処分は無効。 【2 何があったか?】 破産者Aは、破産宣告前に国税を滞納していた。税務署が破産宣告後にAに交付要求をし、破産管財人の保管中の定期預金の差押処分をした。 【3... -
【倒産事件:有限会社の解散と総会決議無効を請求した社員が死亡した事件】
【1 ポイントは何か?】 有限会社(当時)の社員の持分権に含まれる自益権、共益権は一審専属的権利か。 【2 何があったか?】 上告人は先代亡Dが訴えを起こしていた被上告人有限会社に対する会社解散請求、臨時社員総会決議取消請求等の訴... -
【倒産事件:債権届出をしていなかった債権者が破産債権者相手の訴訟で受継の申立てをした事件】
【1 ポイントは何か?】 例えば訴訟の当事者が訴訟能力を失ったとき訴訟は中断するが、能力を回復した時は訴訟を受継する(民事訴訟法124条1項3号)。 【2 何があったか?】 D建設株式会社が破産宣告を受け、破産管財人Eが選任された。... -
【倒産事件:倒産会社に対する損害賠償請求権を債権者委員会の代表者会社に信託譲渡した事件】
【1 ポイントは何か?】 債権者委員会と信託譲渡を利用した倒産処理が行われた。 【2 何があったか?】 AがD商店の物件を無断売却し、損害を与えた。Aは倒産し、Dは、同損害賠償請求権をAの債権者集会の債権者委員会の委員長であるB社に... -
【倒産事件:債権者集会で長老格の債権者が答案会社と他の債権者らとの話合いの労をとった事件】
【1 ポイントは何か?】 債権者集会で話合いのあっせんの労をとった長老格の債権者に他の債権者らの代理権があるかが問題となった。 【2 何があったか?】 倒産会社A社の債権者集会が開かれた席上訴外DがA社とA社の問屋筋との話合いのあっ... -
【倒産事件:債権者が倒産会社に詐害行為取消権を行使した事件】
【1 ポイントは何か?】 倒産会社が破産宣告前に特定の債権者に弁済したことが通謀による詐害行為取消の対象になるか。 【2 何があったか?】 D建設が倒産し、破産宣告を受ける前にD円設支店長Fが特定の債権者Aから暴力を振るわれ強請されて... -
【倒産事件:民事再生の再生計画が裁判所によって認可されなかった事件】
【1 ポイントは何か?】 抗告人を再生債務者とする民事再生手続における再生計画につい て,民事再生法(以下「法」という。)174条2項3号等の不認可事由の有無が争われた。 【2 何があったか?】 抗告人の債権者は7名であったが、内4名、... -
【倒産事件:民事再生の再生計画の認可決定が争われた事件】
【1 ポイントは何か?】 民亊再生で選任された財産管理人が債権者との調整をおこない成立した再生計画案が裁判所で認可されたが、信義則に反しないか問題になった。 【2 何があったか?】 民亊再生債務者Bの財産管理人AがBの債権者Cと相互... -
【横領刑事事件:社会福祉法人の設立者と法人財産の管理者が経営権譲渡契約を締結し、法人財産の横領のため共謀した事件】
【1 ポイントは何か?】 業務上横領 経営権譲渡契約 医療協力委託契約 主導的なはたらき 社会福祉法人の破産 【2 なにがあったか?】 AとBは共謀して社会福祉法人CからAが業務上預かり保管していた通帳から情を知らない経... -
【商事事件:取締役が取締役会の承認を得ないで会社に無利子無利息で金を貸した事件】
【1 ポイントは何か?】 取締役会の承認の要否 【2 何があったか?】 取締役Aが会社Bに取締役会の承認なく無利子無担保で貸し付けた金銭の返還を請求した。 【3 裁判所は何を認めたか?】 ⑴ 原審 東京高等裁判所 Aの請求を棄... -
【労働事件:正規職員と定年退職後の嘱託職員の基本給や賞与の格差を是正しようとした事件】
地位確認等請求事件 最高裁判所第一小法廷令和5年7月20日判決 原審 名古屋高等裁判所裁判所HP裁判例検索092208_hanrei.pdf (courts.go.jp) 【1 ポイントは何か?】 正規職員と定年退職後の嘱託職員の格差 【2 何があったか?】 自動車教習... -
【株式売買価格決定に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件、原審広島高等裁判所】
【】 非上場会社の譲渡制限のある株式の評価方法、 【】 平成28年当時非上場会社であったXX1,X2が、その譲渡制限 付き株式を有するYらから譲渡承諾(会社法136条)を求められ、これらを拒絶し、株式買取通知をした上で裁判所に売買価格の決定を... -
【会社法;会社の元株主が、債権者として株主総会議事録の閲覧謄写を求めた事件】
株主総会議事録閲覧謄写請求事件 令和3年7月5日 最高裁第二小法廷判決 (裁判訴HP) 090461_hanrei.pdf (courts.go.jp) 法曹時報第75巻第5号131頁に解説がある。 【】 株式買い取り請求をした株主は、会社の「債権者」として株主総会議事録の... -
【破産事件:破産管財人が、破産者の破産申し立て前の弁済を否認して、支払の返還を求めた事件】
【】 ⑴ 破産管財人による否認権行使の要件 ⑵ 支払不能に陥ったのちの弁済であるか、また、支払を受けた相手は、そのことを知っていたか(悪意であったか)。 ⑶ 遅延損害金 【】 ⑴ Aから債務整理を受任された弁護士は、平成26年10月17日、債権者... -
【会社法:詐欺グループに騙されて土地代金を支払った代表取締役らが、株主代表訴訟で責任を追求された事例】
【】 取締役の任務懈怠責任の成否 【】 大手ハウスメーカーのC株式会社の代表取締役Aらが、架空取引で金銭をだまし取られたことについて、株主Xから株主代表訴訟を提起され、AらからCに対し、会社法423条(役員等の株式会社に対する損害賠償責任... -
【企業:匿名組合員が出資した3億円の内2分の1以上、実質利益相反の取引に使われた事例】
損害賠償請求事件最高裁判所第三小法廷 平成28年9月6日判決 (東京高等裁判所の判決の損害賠償請求棄却部分を破棄差戻した。) (裁判所ホームページ裁判例検索) https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/107/086107_hanrei.pdf 【】 ⑴ 匿名... -
【労働組合:使用者が、労働委員会の救済命令を争った事件】
最高裁第2小法廷令和4年3月18日判決 (判例タイムズ1498号33頁) 【】 労働組合の団体交渉権、使用者の団体交渉誠実応諾義務。 団体交渉拒否の不当労働行為(労働組合法7条2号)。 労働委員会の救済命令。 【】 使用者X(国立大学法人山形大... -
【中小企業:製造委託取引における信頼関係が争われた事件】
損害賠償請求事件 甲府地裁平成27年10月6日判決 (判例時報2292号70頁) 【】 製造委託取引における委託者と受託者の信頼関係とは。 契約締結前の市場調査の重要性。 損失の公平な分担方法とは。 【】 Y社は、国内の雑穀市場の34.7%を占... -
【あいちトリエンナーレの名古屋市に対する負担金訴訟】
負担金交付請求事件 名古屋地方裁判所令和4年5月25日判決 (最高裁判所、裁判例検索による。) 原告あいちトリエンナーレ実行委員会、被告名古屋市 【】 原告は、被告に対し、「あいちトリエンナーレ2019」開催の負担金の残金約3380万円を請求... -
【労働契約: 固定残業代を超える残業手当の請求が認められた事件】
未払賃金等請求事件 大阪地裁堺支部令和元年(ワ)第1049号、 令和3年12月27日判決 (労働判例1267号64頁) 【】 固定残業代。 労働基準法上の労働時間。 労働基準法114条に基づく付加金。 遅延損害金。 除斥期間、消滅時効。 【】 Y会... -
【中小企業法務:フランチャイズ契約の解除が認められた事件】
千葉地裁民事第5部平成19年8月30日判決 平成16年(ワ)第1744号損害賠償請求事件(甲事件) 平成17年(ワ)第823号違約金等請求事件(乙事件) (最高裁判所HP裁判例検索) 【】 フランチャイズ契約の締結に当たって考えなければならな... -
【就職活動用のナビを運営する会社が、登録した学生たちの内定辞退率を予想するデータを作成し、新人採用活動をする企業に販売したケース】
「データの世紀」日本経済新聞データエコノミー取材班=編、日本経済新聞出版社、2019.11.14、初版第1刷。 同書13~46頁の「リクナビ問題の衝撃」参照 行政法規の働きについて参考になる事例として紹介する。 【】 本件ナビ運営会社... -
アルコールチェックの義務化について
【】 2022年4月より改正道路交通法が施行されました。これにより、対象となる企業のドライバーへのアルコールチェックが義務化されました。 事業者は、従業員の飲酒運転を防止するための対策を講じる必要があります。 【】 使用者が以下の条件のいずれか...
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