1 ポイントは何か?
有限会社(当時)の社員の持分権に含まれる自益権、共益権は一審専属的権利か。
2 何があったか?
上告人は先代亡Dが訴えを起こしていた被上告人有限会社に対する会社解散請求、臨時社員総会決議取消請求等の訴訟を相続により承継したと主張した。被上告人は、これらは会社の利益を擁護するために社員に与えられるいわゆる共益権であり、一身専属権であるから相続されないお主張した。
3 裁判所は何を認めたか?
地裁及び原審大阪高等裁判所は被上告人が勝訴。
最高裁判所では上告人が勝訴した。原判決破棄、地裁に差戻し。
いわゆる共益権も利益配当や残余財産分配請求権などの自益権とともに直悦関節社員自身の利益のために与えられた権利であり、一身専属権ではなく、相続できる。
4 コメント
現在では、平成17年の会社法の制定とともに有限会社法は廃止され、従来の有限会社は特例有限会社として存続しているが、社員持分は株式に置き換えられている。本件判例の考え方は、会社一般に通じるものである。
判例
昭和42(オ)1466 会社解散、社員総会決議取消等請求
昭和45年7月15日 最高裁判所大法廷 判決 破棄差戻