1 ポイントは何か?
本件は、晴天の湖上で、プレジャーボートの船長が、カラフルな帽子とライフジャケットを着て浮かんでいた親子3名にプロペラを接触させ、死亡等させたことにつき、操縦に必要な注意義務を怠ったとして実刑に処せられた事件である。
2 何があったか?
被告人は、プレジャーボートの船長であり、晴天の湖上で、カラフルな帽子とライフジャケットを着て浮かんでいた親子3名にプロペラを接触させ、身体轢断による死亡等させた事故につき、十分な見張りをするべき注意義務を怠ったとして業務上過失致死傷罪で起訴された。
弁護人は、湖上の場所から人が遊泳していることは予想しにくく、十分な見張りを行っていても波や死角などにより発見は困難であり、注意義務に違反していないとして無罪を主張した。
3 裁判所は何を認めたか?
被告人は、操縦業務上の注意義務である十分な見張りを行っていれば湖上に被害者らを発見し、プロペラとの接触という結果を回避できたと認定し、禁固2年の実刑に処した。
4 コメント
陸上と異なり、湖上には、人の遊泳区域と船舶の航行区域が明確に分けられていないところもある。船舶の船長は、全方位の見張りを怠ることなく、遊泳中の人との接触をさけるべき業務上の注意義務がある。事故を起こさないように、死角にも注意しなければならない。
判例
令和3(わ)151 業務上過失致死傷被告事件
令和5年3月24日 福島地方裁判所
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