【取得時効:被相続人の自筆証書遺言があることを知らずに単独相続の登記をした養子が不動産を時効取得した事件】

1 ポイントは何か?


  自筆証書による包括受遺者の相続回復請求権は取得時効を覆すか。


2 何があったか?


  被相続人Zが、自筆証書遺言で、養子Y以外に甥のX及びAにも不動産持分を同等に分与する自筆証書遺言を残していたが、Xはそれを知らずに単独相続の登記手続を経て取得時効を主張した。
  X及びAが、Yに対し相続回復請求権を行使し、各持分の所有権移転登記手続を請求した。


3 裁判所は何を認めたか?


X及びAが敗訴した。
相続回復請求権と取得時効は別個の制度であり、相続回復請求権の消滅時効完成前でも、取得時効により不動産を取得できる。


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  大審院判例(大審院明治44年(オ)第56号同年7月10日判決 ・民録17輯468頁、大審院昭和6年(オ)第2930号同7年2月9日判決・ 民集11巻3号192頁)については、別途チェックする。

判例