【刑事事件:加害者が、被害者らから「先生、ジャニーズのこともあるんだよ」と脅されていた殺人未遂事件】

1 ポイントは何か?

 

  量刑。

 

2 何があったか?

 

  被告人は、元中学校の教師であるが、30年以上前に関係を持った女子生徒であったA及びその知人Bから、慰謝料300万円を請求された。それを支払うと、更に治療費名目で追加請求され、「先生、ジャニーズのこともあるんだよ」と脅された。被告人は思いつめ、突然自宅を訪問したA及びBら両名を、千枚通しで胸部などを刺したが、殺害には至らなかった。両名とも、比較的軽症であった。

  被告人は、殺人未遂で起訴された。

  被告人とA及びBら両名は示談し、両名は、被告人の処罰を求めないことも記されていた。

  検察官は懲役6年を求刑し、弁護人は執行猶予付き判決を求めた。

 

3 裁判所は何を認めたか?

 

  懲役3年、執行猶予5年。

 

4 コメント

 

  ジャニーズの事件は、社会的影響が大きかった。

  被告人が、被害者ら両名から「先生、ジャニーズのこともあるんだよ」と脅されて思いつめる前に、なぜ弁護士などに相談できなかったのか。そうしていれば、このような大事件にはならなかったと思われる。    

 

判例

札幌地方裁判所 令和5()789  殺人未遂被告事件 令和6517日判決