【刑事事件:暴力行為等処罰法の常習脅迫の事件】

大阪地方裁判所平成19(わ)5634  暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件
 平成20年11月11日判決 

1 ポイントは何か?


常習脅迫の有無

2 何があったか?


Y(女性)は路上で3日間、4度にわたり、目の前の居宅の住人らA、B及びC
に対して、「死ね」「殺す」などと繰り返し怒号した。
検察官は、Yを常習脅迫罪として起訴した。求刑1年6月。
弁護人は、近隣トラブルの域を出ないものであり、YとA、B及びCは、同様の
ことをお互いに言い合っており、A、B及びCは何ら畏怖していないと主張した

3 裁判所は何を認めたか?


裁判所は、音声の録音や被害者らのメモ及び近隣住民の証言などにより、Yの
言動を常習脅迫であると認定し、被害者らは、もっとも心安らぐべき自宅での
平穏な生活を乱されたり、帰宅や出かける際に脅迫されて畏怖させられたりし
たもので、その結果は深刻であるとして、Yを懲役1年6月に処し、4年間そ
の刑の執行を猶予した。

4 コメント


Yはなぜこのような言動に及んだのか。A、B及びCは一方的被害者であるのか
。Yの精神状態に問題はなかったのか。なぜ、ここまでエスカレートしたのか
。本裁判は、必ずしも近隣トラブルの性格を十分に解明したとは言えず、一面
的な事実認定に終わっていないか。

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