【選挙事件: 衆議院の人口較差が2倍を超える選挙の無効が主張された事件】

1 ポイントは何か?

 衆議院のいわゆる小選挙区比例代表並立制

 区割り、人口較差、1票の価値 

2 何があったか? 

いわゆる小選挙区比例代表並立制に依拠してされた平成8年10月20日施行の衆議院議員総選挙のうち東京都第8区における小選挙区選挙は無効で あると主張して提起された選挙無効訴訟

原告らは、人口較差が2倍を超える選挙区が28も生じたことは、憲法14条1項、15条1項、43条1項等の規定を通じて憲法上当然に保障されている投票価値の平等の要請に違反するから、本件区割規定は違憲無効であると主張した。

3 裁判所は何を認めたか?

原審は国会の裁量権を認め、本件区割規定に憲法違反はないとして請求棄却し、最高裁は上告棄却した。

4 コメント

  区割り即ち投票の価値の平等問題には最高裁判所の裁判官も大いに関心を持っているようだ。本件最高裁大法廷判決書に署名した最高裁判事の数は14。内5名が反対意見を書いている。

判例

平成11年(行ツ)第7号 選挙無効請求事件

平成11年11月10日最高裁大法廷判決・民集53巻8号1441頁