【刑事事件:チャタレー夫人の恋人事件】

1 ポイントは何か?

  わいせつ概念

  事実問題、法律問題

  基本的人権と公共の福祉による制限

  裁判官の使命

  1審での無罪を、2審で有罪とする手続き

2 何があったか?

  イギリスの作家D.H.ロレンスの「チャタレー夫人の恋人」の無修正版を1950年に伊藤整が翻訳し小山書店から出版した。

3 裁判所は何を認めたか?

  発行者、翻訳者とも有罪。

翻訳者伊藤整は1審無罪、2審有罪(罰金10万円)

4 コメント

  この判決の気負いに裁判官の戦後を感じることができます。真野、小林各裁判官の意見も面白い。

  2審での逆転有罪判決は、無罪判決を下した1審が収集した書面のみに基づく審理によるものであり、裁判官の直接審理主義に反するとの真野、小林各裁判官の意見は貴重です。

  現在では、伊藤整訳「チャタレー夫人の恋人」を読むことができます。

判例

昭和28(あ)1713  猥褻文書販売

昭和32年3月13日  最高裁判所大法廷  判決  棄却

原審 東京高等裁判所

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