【刑事事件:闇バイトに応募し、氏名不詳者が上位者の犯罪グループに加わり、しだいに上位者に近い存在になっていく事件】

1 ポイントは何か?


  インターネットでの闇バイト募集に応募して強盗目的の建造物侵入未遂事件に加わった被告人が、その後次々と営利略取、強盗などの事件を起こし、懲役12年の実刑に処せられた。


2 何があったか?


  公務執行妨害、傷害事件は、被告人の飲酒運転を注意した警察官が車のドアノブに手をかけているのに発進し転倒させけがを負わせた事件で、弁護人は、故意がないと主張した。建造物侵入未遂、営利略取未遂、営利略取、逮捕監禁致傷、強盗致傷、強盗被告事件は、インターネットで募集された闇バイトに被告人が応募し、そのグループでの犯行であり、被告人の役割はしだいに上位者に近いものになっていった。弁護人は、実行犯との共謀関係を否認したり、被告人以外の氏名不詳者が犯行を指示したなどと主張した。闇バイトグループの上位者は氏名不詳であり、全容はわかっていない。
3 裁判所は何を認めたか?
  裁判所は、公務執行妨害、傷害事件は、被告人の故意が存在すると認定できず無罪とした。その他の事件は有罪とし、懲役12年の実刑判決を下した。  


4 コメント


  インターネットによる闇バイトの募集による犯罪集団の形成は、近年の新しい問題である。いったん加わると、個人情報が名前の知れない上位者につかまれて、恐怖によって支配されることになる。犯罪被害額に対し、末端の実行行為者が受ける報酬は微々たるものである。

判例

令和4(わ)959  公務執行妨害、傷害、建造物侵入未遂、営利略取未遂、営利略取、逮捕監禁致傷、強盗致傷、強盗被告事件
令和5年9月1日  大阪地方裁判所

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