【行政訴訟:辺野古の埋立に反対する市民4名が国を被告として提起した事件】

1 ポイントは何か?


  本件抗告訴訟を申立てた市民4名の原告適格の有無


2 何があったか?


  防衛省沖縄防衛局長が、沖縄県知事に辺野古の埋立の承認を求め、元知事により一旦は承認されたが、新知事に代わり、その承認が取消された。
防衛局長は、国土交通大臣に取消の取消を求める審査請求をし、防衛局長側が勝った。
  そこで、付近の市民4名が原告となり、国を被告として、国土交通大臣の裁決の取消を求める訴訟を提起した。


3 裁判所は何を認めたか?


  那覇地方裁判所では、市民4名の敗訴。市民4名には原告として本件訴訟を提起する資格がないとして内容を審査せず却下した。
  しかし、福岡高等裁判所那覇支部民事部は、市民4名の原告適格を認め、原判決を破棄し、実質審理のために那覇地方裁判所に差し戻した。


4 コメント


  国は令和6年5月28日上告した。辺野古の埋め立て工事はすでに進行しており、最近の沖縄県議会議員選挙では、現知事の与党が少数となった。これからどうなるか。
以上

 

判例

福岡高等裁判所那覇支部民事部 令和4(行コ)7 公有水面埋立撤回処分に対し国土交通大臣がなした裁決の取消請求控訴事件 令和6年5月15日判決
原審 那覇地方裁判所