大阪地方裁判所 令和5(ワ)531 著作者人格権侵害差止等請求事件
令和6年5月30日
1 ポイントは何か?
著作者人格権(同一性保持権)
2 何があったか?
映画「天上の花」の脚本はA及びBの共同執筆とされているが、最初の原稿はAが執筆し、Bとの何度かのやり取りの中で、BがAの承諾を得ずに一部を執筆し直した点がAの著作者人格権(同一性保持権)を侵害したものとして、Aから、制作会社C社、同社長兼監督D、配給会社E社、同社長兼プロデューサーF、プロデューサーで映画評論家のG及びBを相手に110万円の損害賠償請求、及び、日経新聞全国版に謝罪広告を1回掲載することを求めた。
Bは、Aが、BによるA執筆の脚本の改変を包括的に同意したから個別に同意を受ける必要はないと反論した。
AとC、D、E、及びFは裁判中に和解したが、Bは和解せず判決となった。
3 裁判所は何を認めたか?
AがBに対し一部勝訴した。裁判所は、一切の事情を総合してBがAに5万5000円を支払うように命じた。謝罪広告の請求は、Aの脚本家としての名誉ないし声望が害されたとまでは認められないとして棄却された。
4 コメント
映画「天井の花」は、2022年に公開されている。
誰に対しても、対等の態度でなければならない。