福岡地方裁判所 令和7(わ)259 業務上過失致死被告事件 令和7年10月2日判決
1 ポイントは何か?
過失の有無。
2 何があったか?
専門学校の教員助手Aは、同校のバーベキュー大会で火のついた木炭の上に水で薄めたア
ルコール入り洗剤を撒いて火勢を強めようとしたところ、付近にいた19歳の学生が全身
火傷となり入院したが10日後に死亡した。
検察官は禁固1年半を求刑し、弁護人は禁固1年に止め執行猶予を付するべきとの意見を
述べた。
3 裁判所は何を認めたか?
禁固1年6月、執行猶予3年の刑に処した。
4 コメント
痛ましい事件であるが、事情によっては可罰的違法性を欠くという議論も考えられる。使
用者である専門学校が賠償責任保険により焼死した学生に対し十分な民事損害賠償責任を
果たすとすれば、それもAの有利な事情に加えられるだろう。

