【不当解雇に基づく損害賠償請求の判例】

東京セクハラ(M商事)事件

東京地裁平成11年3月12日判決、労働判例760号23頁)

1.ポイントは?

セクハラの有無、解雇か退職か、解雇は違法かなど複雑な事案がよく整理され、セクハラを私的な争いと判断して解雇したことは解雇権の濫用であり無効であるとして損害や損害額も認定した事案である。

2.何があったか?

原告Xは、勤務先被告会社Yの上司から「ホテルに行こう。」と繰り返し誘われ、セクハラ被害で弁護士に依頼し上司と示談したが、争いが再燃し、Xは示談書のコピーを職場に配布することまで考えたが、実行には至らなかった。Yの代表者から上司とXに依願退職を求められ、Xは勤務の継続を断念し雇用契約が終了した。XからYに対し違法に解雇されたとして不法行為に基づく損害賠償請求した。

3.判決は何をみとめたか?

不当解雇を認め、311万円 (未払い給与・賞与+慰謝料)の支払いを命じた。