【(旧)統一教会に対する損害賠償請求が認められた事例】

新潟地方裁判所、平成元年(ワ)第374号損害賠償請求事件、
平成14年10月28日判決

1 ポイントは?

本件は、霊感商法に関わる事件である。

今なら消費者契約法で取消が認められる。それ以前の事件であるが、民法の不法行為に該当し損害賠償請求ができるか否かが争われた。

宗教的な教義による違法な押し付けがあって献金、物品購入、ツアーに参加等したのか、それとも自分の意思で進んでしたのかによって損害賠償請求が認められるか否かの判断が分かれた。

これからも、消費者契約法の取消だけでは回復できない損害があれば、民法の不法行為損害賠償請求をしなければならないので参考になる事例である。

2 何があったか?

 旧統一教会に対して、10名の元信者が献金、物品購入、ツアーに参加等したことによる損害の賠償を求めて提訴した。

3 判決は何を認めたか?

旧統一教会に対して、霊感商法による違法な押し付けの結果行われた献金等で、元信者らが受けた損害の賠償を命じた。ただし、元信者らが請求した額のすべてではない。その割合も各信者によって異なっている。

4 コメント

 どんな宗教団体であれ、自分の意思で入信することは自由である。しかし、霊感商法は違法であるから、信者の宗教活動として行っても、消費者契約法に基づいて契約を取消されたり、宗教団体とともに契損害賠償責任を負担する場合もある。そして周囲の人々に迷惑をかけることになる。したがって注意が必要である。