1 ポイントは何か?
音楽著作権料
2 何があったか?
Xは音楽教室を経営し、生徒たちから受講料を受取り、課題曲のレッスンをした。
Xは、課題曲の演奏権料を作曲者や編曲者に支払っていなかったのでトラブルがあったようであり、通常の課題曲演奏権使用料等の支払義務がないことの確認を求めた。
3 裁判所は何を認めたか?
X勝訴。
Xが生徒らから受取る受講料は音楽技術の向上を目的としたレッスンの対価であり、課題曲の演奏主体は生徒であって、Xが主体として演奏権を侵害して儲けているのではないと認めた。
4 コメント
この最高裁判所の判断がこのままでいいのか、少し考えさせられるところです、
近年、中学や高校の部活吹奏楽団のレベルが目覚ましく向上し、課題曲も毎年素晴らしいものが発表されています。それぞれの吹奏楽団の楽器構成に合わせた編曲も重要です。音楽のレベルアップのために音楽著作権料を保護することは大切なことだと思います。しかし、それが教育機関の過大な負担となることは望ましくありませんから、国や自治体の助成を充実させることも必要だろうと思います。
以上
音楽教室における著作物使用に関わる請求権不存在確認請求事件
最高裁判所第一小法廷令和4年10月24日判決〈棄却〉
原審 知的財産高等裁判所
(裁判所HP裁判例検索)