【刑事事件:宅建業法違反、無許可営業をした事件】

1 ポイントは何か?

   公訴事実の同一性

2 なにがあったか?

検察官は、「被告人は、免許を受けないで、業として、建物賃貸借契約の媒介をし、もって免許を受けないで宅地建物取引業を営んだ。」という公訴事実の一部を、「被告人は、株式会社Aの代表取締役であるが、同会社の業務に関し、免許を受けないで、」と訴因変更(訂正)した。この変更は認められるかが争われた。

3 裁判所は何を認めたか?

  被告人自身の行為である点で基本的事実は同一であり、個人か、法人の代表者としてかという点で両立しない事実であるとして訴因変更を認めた。

4 コメント

  訴因とは、罰条に当てはまる特定の事実を言う。

検察官は起訴状で被告人を特定し、公訴事実を、訴因を明示して記載し、訴因はできる限り日時、場所、方法をもって犯罪事実を特定しなければならない。罰条は予備的、選択的に記載することも許される(刑事訴訟法256条)。公訴事実の同一性を害しない限り、訴因、罰条の追加、撤回、変更は許される(同312条)。刑事訴訟法 | e-Gov法令検索

判例

令和3(あ)1752  宅地建物取引業法違反被告事件
令和5年10月16日  最高裁判所第一小法廷  決定  棄却  大阪高等裁判所

092433_hanrei.pdf (courts.go.jp)

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