1 ポイントは何か?
同性事実婚の関係にある者が公安委員会に犯罪被害者給付金を請求できるか。
2 何があったか?
犯罪被害により死亡したAと同性事実婚の関係にあったXから愛知県公安委員会に対し、犯罪被害者遺族給付金の支給を求めたところ、却下された。
3 裁判所は何を認めたか?
⑴ 名古屋高等裁判所は、同性婚は婚姻届が出来ないので、犯罪被害者遺族給付金を受給する資格がない。
⑵ 最高裁判所は、同性事実婚であっても、民法上の配偶者と同様に精神的、経済的打撃を受けることが想定され、その早期の軽減等を図る必要性が高いと認めらえる場合は、受給資格があるとして、原判決を破棄し差し戻した。
なお、補足意見1(加害者に対する慰謝料請求権もあると解するとの意見)。と反対意見1(民事実体法とのギャップがあるとの意見。)がある。
4 コメント
社会全体として、不慮の死を遂げた犯罪被害者の遺族の被害軽減を図らなければならない。
判例
令和4(行ツ)318 犯罪被害者給付金不支給裁定取消請求事件
令和6年3月26日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 名古屋高等裁判所