【刑事事件:覚せい剤を4回以上の多数回にわたり密売し。業としたとして加重処罰された事件】

1 ポイントは何か?

  国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(以下、「特例法」という。)5条違反の罪(以下、「本罪」という。)は、規制薬物の譲渡等を「業とする」ことを企図して薬物その他の物品を規制薬物として譲渡等することを「業とする」ことを構成要件として刑を加重する。本件では、多数回にわたる覚せい剤の譲渡行為を行ったものが密売業として加重処罰された。

2 何があったか?

被告人は、「平成14年6月ころから平成16年3月4日までの間、営利の目的で、みだりに、別表記載のとおり、4回にわたり、大阪市 a区b町c丁目d番e号先路上に停車中の軽自動車内ほか4か所において、Aほか2名に対し、覚せい剤である塩酸フエニルメチルアミノプロパンの結晶合計約0.5gを代金合計5万円で譲り渡すとともに、薬物犯罪を犯す意思をもって、多数回にわたり、同市内において、上記Aほか氏名不詳の多数人に対し、覚せい剤様の結晶を覚せい剤として有償で譲り渡し、もって、覚せい剤を譲り渡す行為と薬物その他の物品を規制薬物として譲り渡す行為を併せてすることを業としたものである。」として起訴された。

弁護人は、本罪の規定は憲法31条に違反すると主張し、また、本件起訴は訴因(*)の特定に欠けていると主張した。

犯罪を構成する事実のこと

3 裁判所は何を認めたか?

  被告人は有罪。

   本罪は「専ら不正な利益の獲得を目的として反復継続して行われるこの種の薬物犯罪の特質にかんがみ、一定期間内に業として行われた一連の行為を総体として重く処罰することにより、薬物犯罪を広く禁圧することを目的としたもの」

   「訴因の特定に欠けるところはない。」

4 コメント

  「営利目的」での刑罰加重に加えて「業として」を刑の加重要件として定めているので、闇事業目的の永続性や組織性も必要とされるのではないか。回数だけの問題ではないはずだ。

   これから、闇事業がいろいろ増えていく可能性があり、厳重に対処する必要があるが、罪刑法定主義を貫くためには、国会の責任であやふや不明確な要件をなくすべきだろう。

判例

平成17(あ)660  国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反、覚せい剤取締法違反被告事件
平成17年10月12日  最高裁判所第一小法廷  決定  棄却  大阪高等裁判所

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