刑事事件– category –
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【刑事事件:トラックが後退するとき後方に立っていた人を電柱に挟圧して死亡させた事件】
仙台地方裁判所 令和6(わ)22 過失運転致死令和7年2月18日 判決 【1 ポイントは何か?】 トラック後退時の注意義務 【2 何があったか?】 被告人は、大型トラックを運転して後退させるとき、後方に人がいるのに気が付かず、自車と電柱との間に挟... -
【刑事事件:強盗殺人未遂の被告人がエチゾラムを服用していた事件】
前橋地方裁判所 令和5(わ)60 強盗殺人未遂令和6年10月10日判決(懲役9年) 【1 ポイントは何か?】 窃取の故意、殺人の故意、責任能力の有無。 【2 何があったか?】 被告人は、コーヒーマシンを置いてある店で、ーのSサイズを購入し、2杯分の... -
【刑事事件:殺人が統合失調症の強い影響のもとに行われ無罪となった事件】
令和6年10月22日宣告 東京高等裁判所第12刑事部判決 令和5年 第1481号 殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件 【1 ポイントは何か?】 精神科医Aが2度の鑑定をし、その結論が統合失調症の有意の影響なしから、強い影響ありに変わっ... -
【刑事事件:窃盗犯が統合失調症で無罪となった事件】
福岡地方裁判所 令和5(わ)720 住居侵入、窃盗被告事件令和6年9月11日 判決(無罪) 【1 ポイントは何か?】 統合失調症による現実と妄想の二重の見当識、責任能力 【2 何があったか?】 被告人は、亡母の幻覚幻聴の教唆に従って窃盗犯を繰り返し... -
【刑事事件:成年後見人の業務上横領事件で勾留請求が却下された事件】
平成27(し)597 勾留請求却下の裁判に対する準抗告の決定に対する特別抗告事件平成27年10月22日 最高裁判所第二小法廷 決定 その他 大阪地方裁判所 【1 ポイントは何か?】 捜査に協力的な被疑者でも勾留は認められるか。 【2 何があったか?... -
【刑事事件:裁判所がいわゆるクリーン・コントロールド・デリバリーの方法による捜査で2度勾留状を交付した事件】
平成30(し)585 勾留の裁判に対する準抗告の裁判に対する特別抗告事件平成30年10月31日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 大阪地方裁判所 【1 ポイントは何か?】 一連の実質的に同一の犯罪で2度の勾留状の交付は有効か。 【2 何があったか?... -
【刑事事件:裁判所が被疑者に被害者の氏名等を秘匿する勾留状を交付した事件】
令和6(し)262 勾留の裁判に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件令和6年4月24日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 神戸地方裁判所 【1 ポイントは何か?】 わいせつ事件等の被害者の氏名等を秘匿した勾留状の交付は有効か。 【2 何があ... -
【刑事事件:勾留取消請求棄却の準抗告の取下書を拘置所の職員に渡した事件】
平成26(し)538 勾留取消し請求却下の裁判に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件平成26年11月28日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 神戸地方裁判所平成22年(し)第 号 【1 ポイントは何か?】 準抗告の取下の効果はいつ発生する... -
【刑事事件:三鷹事件最高裁大法廷判決】
最高裁判所大法廷 昭和26(あ)1688 電車顛覆致死、偽証昭和30年6月22日 判決 棄却原審 東京高等裁判所 1 ポイントは何か? 1 二重の結果的加重犯となる往来危険による電車転覆致死に刑法126条3項を適用して無期または死刑判決を下すことができ... -
【刑事事件:強盗の被害者が手段としての傷害により死亡した事件】
最高裁判所第二小法廷 昭和22(れ)3 強盗傷人 昭和22年11月5日判決 棄却 原審東京高等裁判所 【1 ポイントは何か?】 強盗の結果的加重犯である強盗致死の共犯が成立するためには致死の点について過失が必要か。 【2 何があったか?】 被告人A... -
【刑事事件:闇バイトで集められた者らによる強盗致傷事件等(埼玉、千葉)】
千葉地方裁判所 令和5年 第1486号、同第1926号 建造物侵入幇助、強盗致傷幇助、建造物侵入、強盗被告事件 令和6年10月10日判決 1 ポイントは何か? 闇バイトで集められた多数の氏名不詳者等との共謀による強盗致傷等である。 2 何があ... -
【刑事事件:闇バイトで集められた者らによる強盗致傷事件等(東京都稲城市、山口県岩国市)】
東京地方裁判所立川支部 令和5年(わ)第98号、同第324号 住居侵入、強盗致傷、強盗未遂被告事件 令和6年9月25日判決 【1 ポイントは何か?】 闇バイトで集められた多数の氏名不詳者等との共謀による強盗致傷等である。 【2 何があったか... -
【刑事事件:闇バイトで集められた者らによる強盗致死事件等(東京都狛江市、埼玉県草加市)】
東京地方裁判所 令和5(わ)448 住居侵入、強盗致死、偽造有印公文書行使、強盗予備、窃盗未遂 令和6年9月6日判決 【1 ポイントは何か?】 闇バイトで集められた多数の被告人等による強盗致死事件等である。 【2 何があったか?】 被告人Aは、イン... -
【刑事事件:闇バイトで集められた者らによる強盗致死事件等(東京狛江市)】
東京地方裁判所 令和5(わ)282 住居侵入、強盗致死被告事件 令和7年2月18日判決 【1 ポイントは何か?】 闇バイトで集められた多数の被告人等による強盗致死事件である。 【2 何があったか?】 被告人Yは、インターネットで闇バイトに応募し、他の... -
【刑事事件:闇バイトで集められた者らによる強盗致死事件等(東京江東区・大阪市中央区他)】
東京地方裁判所令和5合(わ)151 住居侵入、強盗致死、建造物侵入、窃盗、強盗、窃盗未遂、強盗傷人等被告事件 令和6年10月22日判決 【最高裁HP掲載】令和5年合第151号【併合判決】 【1 ポイントは何か?】 闇バイトで集められた多数の被告人等による... -
【刑事事件:私人が勝馬投票類似行為をして利を図った事件】
最高裁判所第三小法廷 昭和54(あ)274 競馬法違反、自転車競技法違反昭和54年6月22日決定(棄却)原審大阪高等裁判所 【1 ポイントは何か?】 公共団体にのみ勝馬投票券の発売行為が公認されている。 【2 何があったか?】 私人が、闇で勝馬投票券を... -
【刑事事件:騎手が勝ち馬投票券を購入しようとする顧客に出走予定馬の体調等を教えた事件】
最高裁判所第二小法廷 昭和57(あ)1367 競馬法違反 昭和59年3月13日 決定(棄却) 原審東京高等裁判所 【1 ポイントは何か?】 騎手の情報提供が競馬法32条の2に該当し処罰を受ける場合とは。 【2 何があったか?】 競馬の騎手が、勝馬投票を... -
【刑事事件:強盗殺人事件の再審請求事件(香川県a村)】
最高裁判所第一小法廷 昭和49(し)118 再審請求事件についてした抗告棄却決定に対する特別抗告 昭和51年10月12日決定原審高松高等裁判所、原原審高松地方裁判所丸亀支部 【1 ポイントは何か?】 原原審高松地方裁判所丸亀支部管轄内のa村で強盗殺人事... -
【刑事事件:呼気検査を受けるよう説得し、逃げられないように手首をつかんだ警察官の顔を殴った事件】
最高裁判所第三小法廷 昭和50(あ)146 道路交通法違反、公務執行妨害 昭和51年3月16日 決定(棄却) 刑集 第30巻2号187頁 【1 ポイントは何か?】 任意捜査の限界、及び、正当防衛とは。 【2 何があったか?】 Aは、飲酒運転で自損事故後に、警察署... -
【刑事事件:昭和54年に起きた大崎事件の再審請求事件】
最高裁判所第三小法廷 令和5(し)412 再審請求棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告事件 令和7年2月25日決定(棄却) 原審福岡高等裁判所宮崎支部 【1 ポイントは何か?】 疑わしきは罰せずとは。 【2 何があったか?】 昭和54年1... -
【刑事事件:妻と妻の前夫の子を殺害した事件】
大分地方裁判所 令和5(わ)194 殺人被告事件 令和6年4月26日判決 【1 ポイントは何か?】 量刑 【2 何があったか?】 被告人は、Aと婚姻し、Aの前夫の子Bと養子縁組した。Aと諍いが生じたことから、ペティナイフを購入してA(当時38... -
【刑事事件:銀行口座で犯罪収益と他の正当な預金を混ぜて隠匿した事件】
最高裁判所第三小法廷令和6年12月17日判決(棄却)令和6(あ)536商標法違反、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件原審 広島高等裁判所岡山支部 【1 ポイントは何か?】 憲法... -
【最高裁雑事件:保釈保証金が没取された事件】
最高裁判所令和6年(す)第739号 保釈保証金没取請求事件 令和6年11月19日決定 【1 ポイントは何か?】 保釈保証金の没取 【2 何があったか?】 Aは、窃盗、詐欺、大麻取締法違反等の事件の被告人で450万円の保釈保証金を支払っ... -
【刑事事件:無免許運転で自転車に当て逃げし、また保釈取消の際に検察事務官を負傷させて逃げ、知人に匿ってもらった事件】
大阪地方裁判所令和2年10月22日判決、令和1(わ)4617 公務執行妨害,傷害,犯人蔵匿教唆,無免許過失運転致傷,道路交通法違反 【 】 量刑 【 】 Aは、無免許で運転中の自動車で、過失で横断歩道を横断中のXが運転する自転車に衝突して加療3日... -
【刑事事件:被告人が拡大自殺で妻子を死傷させた事件】
新潟地方裁判所 令和5(わ)196 殺人、殺人未遂 令和6年5月20日判決 【1 ポイントは何か?】 心神喪失か 【2 何があったか?】 被告人は、経済的不安から慢性ストレス状態に陥り、自分が自殺すると二男と妻が生活に困ると考えて拡大自殺を図り... -
【刑事事件:被告人が市長から入札に関連する情報を不正に入手した事件】
佐賀地方裁判所 令和6(わ)28 公契約関係競売入札妨害被告事件令和6年6月18日 判決 【1 ポイントは何か?】 量刑 【2 何があったか?】 被告人はA社の代表であるが、K市の市長Bと懇意になり、同市のふるさと納税PR強化事業をA社に受注... -
【刑事事件:カメルーン国籍の被告人が同居人を殺害して金を奪った事件】
奈良地方裁判所 令和3(わ)408 強盗殺人、偽造有印私文書行使、死体遺棄 令和6年6月4日判決 【1 ポイントは何か?】 量刑 【2 何があったか?】 被告人は、カメルーン国籍であり、日本に留学していたが、平成31年ころ在留資格の変更を余... -
【刑事事件:ETCカードを暴力団幹部に貸与】した電子計算機使用詐欺事件】
大阪地方裁判所5(わ)589 電子計算機利用詐欺 令和6年5月8日対応 【1ポイントは何か?】 ETCカードを他人に貸与することの恐怖性 【2何があったか?】 Cは自分自身のETCカードを暴力団幹部であるAに貸与し、Aは同カードを自車のETC... -
【刑事事件:ホテルで心中しようとして女性だけが死亡した事件】
徳島地方裁判所令和6(わ)73 承諾殺人(予備的訴因:嘱託殺人)被告事件令和6年10月22日 判決 【1 ポイントは何か?】 承諾殺人か嘱託殺人か。 【2 何があったか?】 男女が心中しようとし、被告人男性が包丁で女性の首を刺し殺害した。 刑法2... -
【刑事事件:東京ガスを騙る押し込み強盗致傷事件】
【1 ポイントは何か?】 量刑。 【2 何があったか?】 被告人両名は、「東京ガスです。」 と名乗って、押し込み強盗を行ない、被害額は2272万円であり、被害者に全治2か月の肋骨骨折等の傷害を負わせた。 被告人らは、強盗致傷で起訴... -
【刑事事件:加害者が、被害者らから「先生、ジャニーズのこともあるんだよ」と脅されていた殺人未遂事件】
【1 ポイントは何か?】 量刑。 【2 何があったか?】 被告人は、元中学校の教師であるが、30年以上前に関係を持った女子生徒であったA及びその知人Bから、慰謝料300万円を請求された。それを支払うと、更に治療費名目で追加請求... -
【刑事事件:自治会の会計担当者が約750万円を横領した事件】
【1 ポイントは何か?】 実刑は妥当か。 【2 何があったか?】 被告人は地縁法人であるA自治会の会計担当者の立場を悪用して、預かっていた現金や会計口座の貯金を21回以上にわたり合計約750万円横領し、ギャンブルや遊興費に充て、横... -
【刑事事件:包丁で脅して金7万円を強奪し、逃走した事件】
【1 ポイントは何か?】 被告人は本当の犯人か。 【2 何があったか?】 被告人は、包丁で脅し、金7万円を強奪し逃走したとして、逮捕、起訴された。 靴の足跡痕が被告人宅の履物と一致するとの専門家の鑑定、被害者が追いかけた目撃情報、... -
【刑事事件:犯人の用いた包丁が被害者の左脇腹に刺さった強盗致死事件】
【1 ポイントは何か?】 犯人は包丁を刺入する意思があったのか。 【2 何があったか?】 被告人は、包丁を被害者の首に向けて金を脅し取ろうとしたが、被害者にタックルされて転倒し、被害者が馬乗りになった過程で、包丁が被害者の左腋... -
【刑事事件:賃貸建物の賃借人名義の変更偽装を助言して強制執行を妨害した事件】
【】 強制執行の妨害行為の幇助 【】 被告人は、強制執行を免れるための財産隠匿行為として賃貸建物の賃借人名義変更の偽装方法を教えた。 被告人は、強制執行妨害幇助被告事件で起訴された。原審で有罪となり、上告した。 【】 被... -
【刑事事件:刑務所に戻るために無関係の2人をトラックで殺害した事件】
【1 ポイントは何か?】 死刑か無期懲役か。 【2 何があったか?】 刑期を終え出所したが、刑務所に戻りたいと考えたAが、窃取したトラックを無免許運転し、全く無関係の2名の被害者B及びCをはねて死亡させた。 【3 裁判所は何を認めたか?... -
【刑事事件:規制薬物である大麻等を譲受け、所持した事件】
【1 ポイントは何か?】 量刑 【2 何があったか?】 Yは、⑴規制薬物である麻薬(別名MDMA)8錠、大麻様の液体及び大麻様のもの合計7.3グラム、麻薬(別名LSD)6枚等を4回にわたりレターパックライトで郵送させて譲受け、⑵自宅で... -
【刑事事件:晴天の湖上で、プレジャーボートが、ライフジャケットを着て浮かんでいた親子3名をプロペラに接触させた事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、晴天の湖上で、プレジャーボートの船長が、カラフルな帽子とライフジャケットを着て浮かんでいた親子3名にプロペラを接触させ、死亡等させたことにつき、操縦に必要な注意義務を怠ったとして実刑に処せられた事件で... -
【刑事事件:闇バイトに応募し、氏名不詳者が上位者の犯罪グループに加わり、しだいに上位者に近い存在になっていく事件】
【1 ポイントは何か?】 インターネットでの闇バイト募集に応募して強盗目的の建造物侵入未遂事件に加わった被告人が、その後次々と営利略取、強盗などの事件を起こし、懲役12年の実刑に処せられた。 【2 何があったか?】 公務執行妨害、傷害... -
【刑事事件:密漁底曳網漁船が漁業取締船に追突し沈没させた事件】
【1 ポイントは何か?】 漁業取締船が夜間、灯火を消して密漁底曳網漁船に接近し、サーチライトを照らしたところ密漁底曳網漁船が逃走し、迷走して漁業取締船に追突覆没させたので、密漁底曳網漁船の操縦者等が漁業法違反、艦船覆没、公務執行妨害等... -
【刑事事件:水上オートバイ同士が衝突した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、水上オートバイを無免許運転していて、運転を誤り、他のゴムボートを曳航していた水上オートバイのゴムボートに衝突し、ゴムボートに乗っていた4人のうち2人が死亡し、他の2人も負傷した事件であり、船舶職員及び... -
【刑事事件:押船が作業台船を押しながら航行中に、不注意で、漁撈中の漁船に衝突し、漁船を破壊し、漁船の船長を溺死させた事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、押船が作業台船を押しながら航行中に、不注意で、漁撈中の漁船に衝突し、漁船の船長を溺死させた事件であり、押船の船長が業務上過失往来妨害罪、業務上過失致死罪で有罪とされた。漁船が漁撈中であったか、事故の主... -
【刑事事件:車両を被害店舗の屋上駐車場に止め、店内で雑誌、菓子、カーペットなど1万円超相当額の商品をカートに入れて、精算せずに駐車場まで運んで万引きした事件】
【1 ポイントは何か?】 被告人は、ウェルニッケ・コルサコフ症候群(「コルサコフ症候群」と呼ばれる栄養障害性脳障害である。)、摂食障害、アルコール依存症、クレプトマニア(窃盗症)、PTSD等の精神障害がある。被告人は、前回の万引きで受けた... -
【刑事事件:スーパーマーケットで食料品を合計93点、3万6135円分万引きした事件】
【1 ポイントは何か?】 被告人は、クレプトマニア(窃盗症)である。万引で2回目までの起訴では、いずれも執行猶予付きの判決を受けたが、3回目は実刑判決となった。弁護人は、量刑が重すぎると主張したが、裁判所は、犯行は大胆であり、常習性も... -
【刑事事件:現住建造物放火で起訴された被告人が無罪となった事件】
【1 ポイントは何か?】 「疑わしきは被告人の利益に」が刑事裁判の鉄則である。本件は、現住建造物放火で起訴された被告人が、状況証拠から犯人であると断定するには合理的疑いが残り、しかも新たな証拠が出てくるとも考えられないとして無罪判決が... -
【刑事事件:被告人は、共犯者の大麻輸入の受取人を探す手助けをし、覚せい剤を使用、所持した。】
【1 ポイントは何か?】 大麻、覚せい剤、MDMA等の輸入は、各取締法では、輸入ゲートを抜けると同時に既遂となり、関税法、関税定率法上の禁制品であるそれらの輸入としては、税関の手を抜けるまでは未遂である。被告人は、共犯者の大麻、覚せい... -
【刑事事件:覚せい剤を使用した罪で起訴されたが、無罪とされた事件】
【1 ポイントは何か?】 刑事裁判には「疑わしきは罰せず」の原則がある。本件は、覚せい剤使用で起訴された被告人Pが無罪となった事件である。警察官が、Pに対する旅券法違反による逮捕状と捜索差押令状を取得し、Pの自動車内を捜索したところ、... -
【刑事事件:窃盗実行役と見張り役で分担してドラッグストアで窃盗を実行したが、店員に追われた結果、二人で暴力をふるい、二人とも強盗致傷罪となった事件】
【1 ポイントは何か?】 A及びDと窃盗を共謀した被告人Bが、被害者Cに首を押さえつけられ、Bから助けを求められたAがCに加えたCの抵抗を抑圧する程度の暴行傷害により、BはAと共に強盗致傷罪の共同正犯になるかが争われ、最高裁判所は、そうな... -
【刑事事件;18歳で知能レベル6歳程度の知的発達障碍の女性が被害者となった誘拐、強姦致傷事件であり、社会的弱者に対する冷酷、無慈悲、悪質な犯行として実刑判決が下された。】
【1 ポイントは何か?】 本件は、18歳で知能レベル6歳程度の知的発達障碍の女性が被害者となったわいせつ目的誘拐、強姦致傷事件であり、社会的弱者に対する冷酷、無慈悲、悪質な犯行であるとして実刑判決が下された。被告人は、刑事の暴力を受けて自... -
【刑事事件:違法ドラッグを使用し興奮した状況で、両親を突発的に殺害した事件】
【1 ポイントは何か?】 心神喪失状態で犯した犯罪は無罪となる(刑法39条1項)。本件は、被告人が酒と共に危険ドラッグを飲み、父親に注意され、突発的に父母を殺害したが、心神喪失の状態にはなかったとして有罪とされた事件である。また、違法...