ezaki-law– Author –
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【刑事事件:水上オートバイ同士が衝突した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、水上オートバイを無免許運転していて、運転を誤り、他のゴムボートを曳航していた水上オートバイのゴムボートに衝突し、ゴムボートに乗っていた4人のうち2人が死亡し、他の2人も負傷した事件であり、船舶職員及び... -
【刑事事件:押船が作業台船を押しながら航行中に、不注意で、漁撈中の漁船に衝突し、漁船を破壊し、漁船の船長を溺死させた事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、押船が作業台船を押しながら航行中に、不注意で、漁撈中の漁船に衝突し、漁船の船長を溺死させた事件であり、押船の船長が業務上過失往来妨害罪、業務上過失致死罪で有罪とされた。漁船が漁撈中であったか、事故の主... -
【損害賠償:車いすでも投票所に行くことが困難となり、在宅投票制度を復活させない立法不作為の不法行為に基づく国家賠償を請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、車いすにも乗ることが困難になった人が、在宅投票制度を復活させない立法不作為の不法行為に基づく国家賠償を請求した事件であるが、裁判所は、国会は個別の国民との関係で法的責任を負うものではないとして棄却した。 ... -
【海難事故:船だまりからの出航船と入港船が海上で衝突した事件】
【1 ポイントは何か?】 船だまりからの出航船と入港船が海上で衝突し、海難審判所は、出航船が無灯火であったことが事故の原因であるとして、出航船の船長に対し、小型船舶操縦士の業務を停止する懲戒の採決を下した。入港船の船長は不処分であった... -
【損害賠償:建物購入者が設計者及び施工者らに瑕疵修繕代金相当額の不法行為に基づく損害賠償を請求した事件の第2次上告審判決】
【1 ポイントは何か?】 最高裁平成17年(受)第702号同19年7月6日第二小法廷判決(原判決破棄差戻)・民集61巻5号1769頁を第1次上告審判決とする第2次控訴審は、第1次上告審判決が建物の瑕疵の判断基準として示した「建物としての基... -
【損害賠償:新築建物の買主が、その設計および工事管理をした建築士に対し、損害賠償請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、新築建物の買主から、建物の設計および工事管理をした建築士に対し、建物の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求をした事件であり、裁判所は、建築士が建物の買主に対しても不法行為に基づく損害賠義務を負うとした。 【2... -
【損害賠償:建築主が、行政指導のために建築確認を留保していた建築主事に職務上違法があるとして国家賠償請求をした事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、建築主が、土木事務所に建築確認申請をしたところ、紛争調整担当職員が地域住民と協議するよう行政指導し、建築主も了解の上、建築主事が建築確認を留保していたところ、建築主がこれ以上は建築確認の留保には応じら... -
【損害賠償:新築建物の購入者が、一級建築士を代表者とする建築設計会社に対し、工事監理者として届出をしているのに、建築主兼施工者の違法な手抜き工事を放置したとして損害賠償請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 設計の依頼を受けた設計会社の代表者である一級建築士が、設計し、建築主の建築確認申請を代理し、工事監理者となる届出をし、土木事務所の建築主事から建築確認を受けた。ところが、建築主が、その一級建築士と工事監理契約... -
【損害賠償:建築物の建築主が、建築主事の違法な建築確認によって改修工事費用の損害を被ったとして京都府に損害賠償請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 ビジネスホテルの建築主が、一級建築士に依頼して設計し、京都府の土木事務所に建築確認申請をしたところ、土木事務所の建築主事が建築士が作成した構造計算書に耐震偽装があったのに看過して建築確認をした。建築主は、建築... -
【刑事事件:車両を被害店舗の屋上駐車場に止め、店内で雑誌、菓子、カーペットなど1万円超相当額の商品をカートに入れて、精算せずに駐車場まで運んで万引きした事件】
【1 ポイントは何か?】 被告人は、ウェルニッケ・コルサコフ症候群(「コルサコフ症候群」と呼ばれる栄養障害性脳障害である。)、摂食障害、アルコール依存症、クレプトマニア(窃盗症)、PTSD等の精神障害がある。被告人は、前回の万引きで受けた... -
【刑事事件:スーパーマーケットで食料品を合計93点、3万6135円分万引きした事件】
【1 ポイントは何か?】 被告人は、クレプトマニア(窃盗症)である。万引で2回目までの起訴では、いずれも執行猶予付きの判決を受けたが、3回目は実刑判決となった。弁護人は、量刑が重すぎると主張したが、裁判所は、犯行は大胆であり、常習性も... -
【住民訴訟:市が非常勤職員に退職慰労金を支払ったことは給与条例主義に違反しているとして住民訴訟が提起された事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、大阪府大東市の市長らが、市の要綱に基づいて非常勤職員らに退職慰労金を支払ったことが、地方自治法の給与条例主義(204条3項、204条の2等)に反しているとして、市の執行機関に対し、市長らに損害賠償請求... -
【損害賠償:建物新築時の評価額に誤りがあり、その後長期にわたって過大な固定資産税及び都市計画税を支払い続けてきた事件】
【1 ポイントは何か?】 国家賠償法に基づく損害賠償請求権も、不法行為の時から20年の除斥期間(国家賠償法4条、民法724条)が経過すると消滅する。本件は、東京都23区内のある建物新築時の評価額の東京都知事による決定と固定資産税及び都... -
【交通事故:内縁の夫の運転する自動車の助手席に同乗していた内縁の妻が自動車同士の出合い頭の交通事故で負傷した】
【1 ポイントは何か?】 交通事故において、被害者と一体関係にある者の過失は、被害者側の過失として考慮されるとすれば、内縁関係にある者同士の場合はどうか。本件は、内縁の夫が運転する車の助手席にいた内縁の妻から交通事故の相手方車両の運転... -
【国家賠償、不法行為損害賠償事件:森友学園への国有地払下げで、財務省理財局長らの国会対応との整合性をはかるため、上司から文書改ざんを指示された近畿財務局職員が、過労等で自殺した。その妻が、国と理財局長を相手に損害賠償請求をした】
【1 ポイントは何か?】 森友学園は小学校の敷地用に国有地の払い下げを受けたが、代金が相当に低く、国会で、内閣総理大臣をはじめ厳しく追及された。財務省理財局長の国会対応との整合性を図るため、上司から文書改ざんを指示された近畿財務局職員... -
【刑事事件:現住建造物放火で起訴された被告人が無罪となった事件】
【1 ポイントは何か?】 「疑わしきは被告人の利益に」が刑事裁判の鉄則である。本件は、現住建造物放火で起訴された被告人が、状況証拠から犯人であると断定するには合理的疑いが残り、しかも新たな証拠が出てくるとも考えられないとして無罪判決が... -
【国籍取得:両親が結婚していなくても、日本人の親が18歳未満の子を認知し法務大臣宛に国籍取得届をすれば日本国籍を取得するとした事件】
【1 ポイントは何か?】 国籍法は、出生、認知、帰化の3種類の国籍取得方法を定めている。認知による国籍取得は、現在の国籍法では、日本人の親が18歳未満の子を認知し、法務大臣に国籍取得届をすればよい(2条1号)。しかし、旧規定では、認知... -
【労働事件:鳴門市の公営企業である競艇場の共済会が臨時従事員の離職の際に離職餞別金を支払っていたが、市が共済会にそのために交付していた補助金が違法だとされた事件】
【1 ポイントは何か?】 平成22年ころ、鳴門市の競艇場を経営する公営企業の臨時従事員が離職するとき、公営企業の共済会が離職餞別金を支払っていた。その財源は鳴門市から共済会に対する補助金交付であったが、同年の補助金交付について、鳴門市... -
【労働事件:定年退職後再雇用後の有期労働契約に基づく賃金が定年前の半額以下になった事件】
【1 ポイントは何か?】 昭和四十六年法律第六十八号、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律は、定年の引上げや高齢者の再雇用制度の導入を通じて経済や社会の発展に資することを目的にしている。高齢者の再雇用制度の導入は、この目的にかなったも... -
【労働事件、破産事件:破産管財人が、破産した労働者と元勤務先会社の間の退職金及び未払い給与の相殺合意ないし天引き依頼に対し否認権を行使できるかが問題となった事件】
【1 ポイントは何か?】 労働者の生活を守るために、退職金や未払い給与からの財形借入金や、銀行や労働金庫の借入金返済費用前払請求権(民法649条、受任者による費用の前払い請求権)の天引きが有効であるかの判断はとくに慎重でなければならな... -
【労働事件:労働者が退職に際し退職金を放棄する文書に署名し、合理的理由が客観的に存在し有効な意思表示であるとされた事件。色川幸太郎判事の反対意見あり】
【1 ポイントは何か?】 昭和22年に制定された労働基準法は、人たるに値する最低限度の労働条件を定め、かつさらなる向上を目指すことを求めている(第1条)。賃金全額払いの原則(24条1項本文)、賃金と前借金の相殺の禁止(17条)もそうである... -
【労働事件:労働者が退職金の不利益変更に自由な意思で同意したか否かについては慎重な検討を必要とするとされた事件】
【1 ポイントは何か?】 労働契約の基準の変更については労働者の自由な意思が守られるように配慮することが必要である。 本件は、A信用組合が経営破綻を回避するために、B信用組合と合併し、A信用組合の管理職や職員も、B信用組合に引き継がれ... -
【刑事事件:被告人は、共犯者の大麻輸入の受取人を探す手助けをし、覚せい剤を使用、所持した。】
【1 ポイントは何か?】 大麻、覚せい剤、MDMA等の輸入は、各取締法では、輸入ゲートを抜けると同時に既遂となり、関税法、関税定率法上の禁制品であるそれらの輸入としては、税関の手を抜けるまでは未遂である。被告人は、共犯者の大麻、覚せい... -
【刑事事件:覚せい剤を使用した罪で起訴されたが、無罪とされた事件】
【1 ポイントは何か?】 刑事裁判には「疑わしきは罰せず」の原則がある。本件は、覚せい剤使用で起訴された被告人Pが無罪となった事件である。警察官が、Pに対する旅券法違反による逮捕状と捜索差押令状を取得し、Pの自動車内を捜索したところ、... -
【刑事事件:窃盗実行役と見張り役で分担してドラッグストアで窃盗を実行したが、店員に追われた結果、二人で暴力をふるい、二人とも強盗致傷罪となった事件】
【1 ポイントは何か?】 A及びDと窃盗を共謀した被告人Bが、被害者Cに首を押さえつけられ、Bから助けを求められたAがCに加えたCの抵抗を抑圧する程度の暴行傷害により、BはAと共に強盗致傷罪の共同正犯になるかが争われ、最高裁判所は、そうな... -
【刑事事件;18歳で知能レベル6歳程度の知的発達障碍の女性が被害者となった誘拐、強姦致傷事件であり、社会的弱者に対する冷酷、無慈悲、悪質な犯行として実刑判決が下された。】
【1 ポイントは何か?】 本件は、18歳で知能レベル6歳程度の知的発達障碍の女性が被害者となったわいせつ目的誘拐、強姦致傷事件であり、社会的弱者に対する冷酷、無慈悲、悪質な犯行であるとして実刑判決が下された。被告人は、刑事の暴力を受けて自... -
【刑事事件:違法ドラッグを使用し興奮した状況で、両親を突発的に殺害した事件】
【1 ポイントは何か?】 心神喪失状態で犯した犯罪は無罪となる(刑法39条1項)。本件は、被告人が酒と共に危険ドラッグを飲み、父親に注意され、突発的に父母を殺害したが、心神喪失の状態にはなかったとして有罪とされた事件である。また、違法... -
【情報公開:市民団体の名古屋市に対する名古屋城木造再建計画の市政情報の開示請求が一部認められた事件】
【1 ポイントは何か?】 名古屋市情報公開条例(*)は、名古屋市が保有する情報の公開を図り、市民の知る権利を守るために制定された。但し、同条例7条が定める非公開情報に該当する場合は除かれる。本件は、名古屋城天守閣木造復元事業に関し、市... -
【刑事事件:覚せい剤の不正な輸出入や製造を業として行ったとして処罰された事件】
【1 ポイントは何か?】 覚せい剤取締法41条1項は、不正輸出入、製造等を罰し、営利目的があった場合は刑が重くなるが、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法... -
【刑事事件:覚せい剤を4回以上の多数回にわたり密売し。業としたとして加重処罰された事件】
【1 ポイントは何か?】 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(以下、「特例法」という。)5条違反の罪(以下、「本罪」という。)は、規制薬物の譲渡等を「... -
【刑事事件:覚せい剤譲渡契約を締結し、代金を受け取り、品物を郵送したが届かなかった事件】
【1 ポイントは何か?】 刑の種類には死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料などの主刑と、付加刑としての没収がある(刑法9条)。没収は、犯罪に関係する物やその対価を被告人から取り上げることで(同19条)、物や対価を没収できない時は価額を追... -
【損害賠償請求事件:建物解体作業に従事し石綿肺等にり患した作業員から建材メーカーに損害賠償請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 石綿粉じん暴露により石綿肺、肺がん、中皮腫等が発症しうるとの知見は昭和48年ころまでには国際機関等により公表されていた。本件では、建物解体作業に従事した者らと建材メーカーとの間で、建物建材メーカーが石綿含有建... -
【夫婦別姓:夫婦同氏制度は憲法に違反しない。しかし、3名の裁判官の反対意見、選択的夫婦別氏制を導入しないことが憲法違反であるとの反対意見のある事件】
【1 ポイントは何か?】 夫婦は婚姻の際に定める夫又は妻の氏を称する(民法750条)。婚姻届けには夫婦が称する氏を記入しなければならない(戸籍法74条1号)。最高裁判所の多数意見は、これらは憲法24条に違反しないとした。しかし、2名の... -
【子の監護者の定め:祖母が自分を孫の監護者に指定するように求めた事件】
【1 ポイントは何か?】 父母が離婚するときは、その協議によりその一方を子の親権者に定めなければならないが(民法819条)、子の監護者は、父母の協議で定めるとされているが、父母のいずれかでなければならないとは定められていない(同766... -
【刑事事件:父親が生後2か月の実子を傷害したとして起訴されたが、無罪となった事件】
【1 ポイントは何か?】 傷害罪は、人の身体を傷害する犯罪であり、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる(刑法204条)。本件では、父親が生後2か月の子どもを激しく揺さぶって急性硬膜下血種を発症させたとして傷害罪で起訴され... -
【遺産関係:夫の父の療養看護をした妻が夫の弟に特別寄与料の分担を請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 無償で被相続人の療養看護をし、被相続人の財産を維持増加した親族(相続人、相続放棄者、欠格者,被廃除者は除く。)は、特別寄与者として、相続人に対し寄与に応じた額の特別寄与料の請求をすることができる(民法1050条... -
【医師免許取消:厚生労働大臣が、常習として強制わいせつ行為を行った精神科医の医師免許を取消した事件】
【1 ポイントは何か?】 医師が品位を損する行為を行った時は、厚生労働大臣が医師法に基づき、医道審議会の意見を聞き、都道府県知事による医師本人の意見聴取を求め、医師免許取消処分をすることができる。本件は、精神科医が、患者に常習的にわい... -
【遺言書の効力:自筆証書遺言に署名押印がなく、封印のある封筒と一体のものとも言えないとして無効とされた事件】
【1 ポイントは何か?】 自筆証書遺言は方式行為であり、全文、日付、氏名を自書しなければならないが、遺言書に押印がなくとも封筒の封じ目に押印がある場合に有効と認められる場合がある(最高裁平成6年6月24日第2小法廷判決・集民172号7... -
【遺言書の効力:遺言書の文面全体に赤斜線を引いた行為が遺言書の破棄に当たるとされた事件】
【1 ポイントは何か?】 遺言者が遺言書を故意に破棄した時は遺言の撤回とみなされる(民法1024条)、本件は、文面全体にひかれた1本の赤斜線は遺言尾撤回に当たるとされた事件である。 【2 何があったか?】 Aの作成した用紙1枚の自筆... -
【遺言書の効力:自筆証書遺言に花押を用いたが、押印とは認められなかった事件】
【1 ポイントは何か? 】 自筆証書遺言は要式行為であり、全文(最近の法改正で、財産目録は別)、日付、氏名を自書し押印しなければならない(民法968条)。本件は、押印の代わりに花押が用いられていたが、押印の要件を満たさないとされた。... -
【遺言の効力:自筆証書遺言に付された自筆以外の文字の財産目録に遺言者の署名押印がない場合の効力】
【1 ポイントは何か】 自筆証書遺言に付する財産目録は自筆でなくてもよくなった。ただし、各頁に遺言者の署名押印が必要である。その署名押印を欠いた場合の自筆証書遺言の効力はどうか。本件は、無効とはならない場合を認めた。 【2 何があった... -
【遺言の効力:遺言者が本文、氏名を自書し押印し、その8日後に当日の日付を自書した自筆証書遺言書の効力が争われた事件】
【1 ポイントは何か?】 遺言書の日付はその成立時期を明確にするためであるから真実遺言書が成立した日付であるべき。では、遺言書は、いつ成立したとみるべきか。本事例では、自筆証書遺言の遺言者が全文、氏名を自書し押印し、後日に日付を自書し... -
【遺言の効力:遺言者が本文、日付、氏名を自書し、その27日後に弁護士が立ち会いのもと押印した自筆証書遺言書の効力が争われた事件】
【1 ポイントは何か?】 遺言書は要式行為であり、自筆証書遺言は、全文、日付、氏名を自書し、押印しなければならない(民法968条)。その目的は、遺言者の真意を確保することにある。日付が真実の作成日ではない場合はどうか。本件判例は、原則... -
【年金請求:視力障害者が障害年金と児童扶養手当の併給を求めた事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、視力障碍者が障害年金と児童扶養手当の併給を求めて却下され争った事件であり、裁判所は児童扶養手当法43条3項2号(昭和48年法律で廃止)の併給調整条項は憲法に違反しないとして視力障害者が敗訴した。 【2... -
【老齢年金:老齢年金(国民年金の老齢基礎年金及び厚生年金の老齢厚生年金)の減額改定を争った事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、厚生労働大臣による老齢年金(国民年金法上の老齢基礎年金及び厚生年金保険法上の老齢厚生年金)の平成25年以降の年金額減額決定の効力が争われ、年金受給者が敗訴した事件である。 【2 何があったか?】 老... -
【在留資格:来日し、反戦運動にも参加した米国人の在留期間延長が認められなかった事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、外国人が、法務大臣に在留期間の延長を求め、不許可処分となり、裁判所に処分取消しを求めたが、敗訴した事件である。 【2 何があったカ?】 Aは、アメリカ合衆国国籍を有し、昭和44年4月21日在韓国日本大使... -
【刑事事件:闇バイト強盗の事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、闇バイトで集められた被告人らが、同様にして集められた他の者たちと、指示役に指示された通りの役割分担を行い、強盗等の事件を犯した事件である。 【2 何があったか?】 いわゆる闇バイトで集められたA及びBが、... -
【在留資格:日本人と同性パートナーの関係にある外国人が、在留資格を定住者に変更することを求めた事件】
【1 ポイントは何か?】 我が国の入国管理行政は、日本人と同性パートナーの関係にあることを理由とする 外国人の在留資格は特定活動しか認めていない。本件では、外国人が、入国管理局に対し、 在留資格を定住者に変更するよう申請したが、入管も裁... -
【交通事故刑事事件:出会いがしらに衝突した車両の一方が歩道にいた人を轢過し死亡させた事件】
【1 ポイントは何か?】 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条は、過失運転致死傷罪を7年以下の懲役または禁錮もしくは100万円以下の罰金 と規定している。但し、傷害の程度が軽いときは免訴とすることもできる。本件は... -
【不当利得事件:大阪市が当選無効となった市会議員に対し議員報酬の返還を求めた事件】
【1 ポイントは何か?】 公職選挙法251条は、選挙犯罪で有罪が確定した者の当選を無効とする。本件は、市会議員の当選が、同条により無効となり、市から議員報酬等の不当利得返還請求訴訟が提起され、最高裁判所によって認められた事件である。 ...