弁護士 恵崎 和則– Author –
恵崎法律事務所
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【国家賠償、不法行為損害賠償事件:森友学園への国有地払下げで、財務省理財局長らの国会対応との整合性をはかるため、上司から文書改ざんを指示された近畿財務局職員が、過労等で自殺した。その妻が、国と理財局長を相手に損害賠償請求をした】
損害賠償請求
1 ポイントは何か? 森友学園は小学校の敷地用に国有地の払い下げを受けたが、代金が相当に低く、国会で、内閣総理大臣をはじめ厳しく追及された。財務省理財局長の国会対応との整合性を図るため、上司から文書改ざんを指示された近畿財務局職員が、... -
【刑事事件:現住建造物放火で起訴された被告人が無罪となった事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 「疑わしきは被告人の利益に」が刑事裁判の鉄則である。本件は、現住建造物放火で起訴された被告人が、状況証拠から犯人であると断定するには合理的疑いが残り、しかも新たな証拠が出てくるとも考えられないとして無罪判決が下さ... -
【国籍取得:両親が結婚していなくても、日本人の親が18歳未満の子を認知し法務大臣宛に国籍取得届をすれば日本国籍を取得するとした事件】
行政・年金
1 ポイントは何か? 国籍法は、出生、認知、帰化の3種類の国籍取得方法を定めている。認知による国籍取得は、現在の国籍法では、日本人の親が18歳未満の子を認知し、法務大臣に国籍取得届をすればよい(2条1号)。しかし、旧規定では、認知する... -
【労働事件:鳴門市の公営企業である競艇場の共済会が臨時従事員の離職の際に離職餞別金を支払っていたが、市が共済会にそのために交付していた補助金が違法だとされた事件】
労働問題
1 ポイントは何か? 平成22年ころ、鳴門市の競艇場を経営する公営企業の臨時従事員が離職するとき、公営企業の共済会が離職餞別金を支払っていた。その財源は鳴門市から共済会に対する補助金交付であったが、同年の補助金交付について、鳴門市の住... -
【労働事件:定年退職後再雇用後の有期労働契約に基づく賃金が定年前の半額以下になった事件】
労働問題
1 ポイントは何か? 昭和四十六年法律第六十八号、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律は、定年の引上げや高齢者の再雇用制度の導入を通じて経済や社会の発展に資することを目的にしている。高齢者の再雇用制度の導入は、この目的にかなったもので... -
【労働事件、破産事件:破産管財人が、破産した労働者と元勤務先会社の間の退職金及び未払い給与の相殺合意ないし天引き依頼に対し否認権を行使できるかが問題となった事件】
労働問題
1 ポイントは何か? 労働者の生活を守るために、退職金や未払い給与からの財形借入金や、銀行や労働金庫の借入金返済費用前払請求権(民法649条、受任者による費用の前払い請求権)の天引きが有効であるかの判断はとくに慎重でなければならない。... -
【労働事件:労働者が退職に際し退職金を放棄する文書に署名し、合理的理由が客観的に存在し有効な意思表示であるとされた事件。色川幸太郎判事の反対意見あり】
労働問題
1 ポイントは何か? 昭和22年に制定された労働基準法は、人たるに値する最低限度の労働条件を定め、かつさらなる向上を目指すことを求めている(第1条)。賃金全額払いの原則(24条1項本文)、賃金と前借金の相殺の禁止(17条)もそうである。本... -
【労働事件:労働者が退職金の不利益変更に自由な意思で同意したか否かについては慎重な検討を必要とするとされた事件】
労働問題
1 ポイントは何か? 労働契約の基準の変更については労働者の自由な意思が守られるように配慮することが必要である。 本件は、A信用組合が経営破綻を回避するために、B信用組合と合併し、A信用組合の管理職や職員も、B信用組合に引き継がれた。... -
【刑事事件:被告人は、共犯者の大麻輸入の受取人を探す手助けをし、覚せい剤を使用、所持した。】
刑事事件
1 ポイントは何か? 大麻、覚せい剤、MDMA等の輸入は、各取締法では、輸入ゲートを抜けると同時に既遂となり、関税法、関税定率法上の禁制品であるそれらの輸入としては、税関の手を抜けるまでは未遂である。被告人は、共犯者の大麻、覚せい剤、... -
【刑事事件:覚せい剤を使用した罪で起訴されたが、無罪とされた事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 刑事裁判には「疑わしきは罰せず」の原則がある。本件は、覚せい剤使用で起訴された被告人Pが無罪となった事件である。警察官が、Pに対する旅券法違反による逮捕状と捜索差押令状を取得し、Pの自動車内を捜索したところ、同車... -
【刑事事件:窃盗実行役と見張り役で分担してドラッグストアで窃盗を実行したが、店員に追われた結果、二人で暴力をふるい、二人とも強盗致傷罪となった事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? A及びDと窃盗を共謀した被告人Bが、被害者Cに首を押さえつけられ、Bから助けを求められたAがCに加えたCの抵抗を抑圧する程度の暴行傷害により、BはAと共に強盗致傷罪の共同正犯になるかが争われ、最高裁判所は、そうなるこ... -
【刑事事件;18歳で知能レベル6歳程度の知的発達障碍の女性が被害者となった誘拐、強姦致傷事件であり、社会的弱者に対する冷酷、無慈悲、悪質な犯行として実刑判決が下された。】
刑事事件
1 ポイントは何か? 本件は、18歳で知能レベル6歳程度の知的発達障碍の女性が被害者となったわいせつ目的誘拐、強姦致傷事件であり、社会的弱者に対する冷酷、無慈悲、悪質な犯行であるとして実刑判決が下された。被告人は、刑事の暴力を受けて自白し... -
【刑事事件:違法ドラッグを使用し興奮した状況で、両親を突発的に殺害した事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 心神喪失状態で犯した犯罪は無罪となる(刑法39条1項)。本件は、被告人が酒と共に危険ドラッグを飲み、父親に注意され、突発的に父母を殺害したが、心神喪失の状態にはなかったとして有罪とされた事件である。また、違法薬物... -
【情報公開:市民団体の名古屋市に対する名古屋城木造再建計画の市政情報の開示請求が一部認められた事件】
行政・年金
1 ポイントは何か? 名古屋市情報公開条例(*)は、名古屋市が保有する情報の公開を図り、市民の知る権利を守るために制定された。但し、同条例7条が定める非公開情報に該当する場合は除かれる。本件は、名古屋城天守閣木造復元事業に関し、市民団... -
【刑事事件:覚せい剤の不正な輸出入や製造を業として行ったとして処罰された事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 覚せい剤取締法41条1項は、不正輸出入、製造等を罰し、営利目的があった場合は刑が重くなるが、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(... -
【刑事事件:覚せい剤を4回以上の多数回にわたり密売し。業としたとして加重処罰された事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(以下、「特例法」という。)5条違反の罪(以下、「本罪」という。)は、規制薬物の譲渡等を「業と... -
【刑事事件:覚せい剤譲渡契約を締結し、代金を受け取り、品物を郵送したが届かなかった事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 刑の種類には死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料などの主刑と、付加刑としての没収がある(刑法9条)。没収は、犯罪に関係する物やその対価を被告人から取り上げることで(同19条)、物や対価を没収できない時は価額を追徴す... -
【損害賠償請求事件:建物解体作業に従事し石綿肺等にり患した作業員から建材メーカーに損害賠償請求した事件】
損害賠償請求
1 ポイントは何か? 石綿粉じん暴露により石綿肺、肺がん、中皮腫等が発症しうるとの知見は昭和48年ころまでには国際機関等により公表されていた。本件では、建物解体作業に従事した者らと建材メーカーとの間で、建物建材メーカーが石綿含有建材を... -
【夫婦別姓:夫婦同氏制度は憲法に違反しない。しかし、3名の裁判官の反対意見、選択的夫婦別氏制を導入しないことが憲法違反であるとの反対意見のある事件】
離婚・男女問題
1 ポイントは何か? 夫婦は婚姻の際に定める夫又は妻の氏を称する(民法750条)。婚姻届けには夫婦が称する氏を記入しなければならない(戸籍法74条1号)。最高裁判所の多数意見は、これらは憲法24条に違反しないとした。しかし、2名の裁判... -
【子の監護者の定め:祖母が自分を孫の監護者に指定するように求めた事件】
その他
1 ポイントは何か? 父母が離婚するときは、その協議によりその一方を子の親権者に定めなければならないが(民法819条)、子の監護者は、父母の協議で定めるとされているが、父母のいずれかでなければならないとは定められていない(同766条)。... -
【刑事事件:父親が生後2か月の実子を傷害したとして起訴されたが、無罪となった事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 傷害罪は、人の身体を傷害する犯罪であり、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる(刑法204条)。本件では、父親が生後2か月の子どもを激しく揺さぶって急性硬膜下血種を発症させたとして傷害罪で起訴されたが... -
【遺産関係:夫の父の療養看護をした妻が夫の弟に特別寄与料の分担を請求した事件】
遺言、相続
1 ポイントは何か? 無償で被相続人の療養看護をし、被相続人の財産を維持増加した親族(相続人、相続放棄者、欠格者,被廃除者は除く。)は、特別寄与者として、相続人に対し寄与に応じた額の特別寄与料の請求をすることができる(民法1050条1項)... -
【医師免許取消:厚生労働大臣が、常習として強制わいせつ行為を行った精神科医の医師免許を取消した事件】
医療
1 ポイントは何か? 医師が品位を損する行為を行った時は、厚生労働大臣が医師法に基づき、医道審議会の意見を聞き、都道府県知事による医師本人の意見聴取を求め、医師免許取消処分をすることができる。本件は、精神科医が、患者に常習的にわいせつ... -
【遺言書の効力:自筆証書遺言に署名押印がなく、封印のある封筒と一体のものとも言えないとして無効とされた事件】
遺言、相続
1 ポイントは何か? 自筆証書遺言は方式行為であり、全文、日付、氏名を自書しなければならないが、遺言書に押印がなくとも封筒の封じ目に押印がある場合に有効と認められる場合がある(最高裁平成6年6月24日第2小法廷判決・集民172号733... -
【遺言書の効力:遺言書の文面全体に赤斜線を引いた行為が遺言書の破棄に当たるとされた事件】
遺言、相続
1 ポイントは何か? 遺言者が遺言書を故意に破棄した時は遺言の撤回とみなされる(民法1024条)、本件は、文面全体にひかれた1本の赤斜線は遺言尾撤回に当たるとされた事件である。 2 何があったか? Aの作成した用紙1枚の自筆証書遺言... -
【遺言書の効力:自筆証書遺言に花押を用いたが、押印とは認められなかった事件】
遺言、相続
1 ポイントは何か? 自筆証書遺言は要式行為であり、全文(最近の法改正で、財産目録は別)、日付、氏名を自書し押印しなければならない(民法968条)。本件は、押印の代わりに花押が用いられていたが、押印の要件を満たさないとされた。 2... -
【遺言の効力:自筆証書遺言に付された自筆以外の文字の財産目録に遺言者の署名押印がない場合の効力】
遺言、相続
1 ポイントは何か 自筆証書遺言に付する財産目録は自筆でなくてもよくなった。ただし、各頁に遺言者の署名押印が必要である。その署名押印を欠いた場合の自筆証書遺言の効力はどうか。本件は、無効とはならない場合を認めた。 2 何があったか ... -
【遺言の効力:遺言者が本文、氏名を自書し押印し、その8日後に当日の日付を自書した自筆証書遺言書の効力が争われた事件】
遺言、相続
1 ポイントは何か? 遺言書の日付はその成立時期を明確にするためであるから真実遺言書が成立した日付であるべき。では、遺言書は、いつ成立したとみるべきか。本事例では、自筆証書遺言の遺言者が全文、氏名を自書し押印し、後日に日付を自書したが... -
【遺言の効力:遺言者が本文、日付、氏名を自書し、その27日後に弁護士が立ち会いのもと押印した自筆証書遺言書の効力が争われた事件】
遺言、相続
1 ポイントは何か? 遺言書は要式行為であり、自筆証書遺言は、全文、日付、氏名を自書し、押印しなければならない(民法968条)。その目的は、遺言者の真意を確保することにある。日付が真実の作成日ではない場合はどうか。本件判例は、原則は無... -
【年金請求:視力障害者が障害年金と児童扶養手当の併給を求めた事件】
行政・年金
1 ポイントは何か? 本件は、視力障碍者が障害年金と児童扶養手当の併給を求めて却下され争った事件であり、裁判所は児童扶養手当法43条3項2号(昭和48年法律で廃止)の併給調整条項は憲法に違反しないとして視力障害者が敗訴した。 2 何が... -
【老齢年金:老齢年金(国民年金の老齢基礎年金及び厚生年金の老齢厚生年金)の減額改定を争った事件】
行政・年金
1 ポイントは何か? 本件は、厚生労働大臣による老齢年金(国民年金法上の老齢基礎年金及び厚生年金保険法上の老齢厚生年金)の平成25年以降の年金額減額決定の効力が争われ、年金受給者が敗訴した事件である。 2 何があったか? 老齢年金制... -
【在留資格:来日し、反戦運動にも参加した米国人の在留期間延長が認められなかった事件】
その他
1 ポイントは何か? 本件は、外国人が、法務大臣に在留期間の延長を求め、不許可処分となり、裁判所に処分取消しを求めたが、敗訴した事件である。 2 何があったカ? Aは、アメリカ合衆国国籍を有し、昭和44年4月21日在韓国日本大使館発行の... -
【刑事事件:闇バイト強盗の事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 本件は、闇バイトで集められた被告人らが、同様にして集められた他の者たちと、指示役に指示された通りの役割分担を行い、強盗等の事件を犯した事件である。 2 何があったか? いわゆる闇バイトで集められたA及びBが、同様にし... -
【在留資格:日本人と同性パートナーの関係にある外国人が、在留資格を定住者に変更することを求めた事件】
損害賠償請求
1 ポイントは何か? 我が国の入国管理行政は、日本人と同性パートナーの関係にあることを理由とする 外国人の在留資格は特定活動しか認めていない。本件では、外国人が、入国管理局に対し、 在留資格を定住者に変更するよう申請したが、入管も裁判所... -
【交通事故刑事事件:出会いがしらに衝突した車両の一方が歩道にいた人を轢過し死亡させた事件】
交通事故
1 ポイントは何か? 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条は、過失運転致死傷罪を7年以下の懲役または禁錮もしくは100万円以下の罰金 と規定している。但し、傷害の程度が軽いときは免訴とすることもできる。本件は、出... -
【不当利得事件:大阪市が当選無効となった市会議員に対し議員報酬の返還を求めた事件】
行政・年金
1 ポイントは何か? 公職選挙法251条は、選挙犯罪で有罪が確定した者の当選を無効とする。本件は、市会議員の当選が、同条により無効となり、市から議員報酬等の不当利得返還請求訴訟が提起され、最高裁判所によって認められた事件である。 当選... -
【刑事事件:平成17年福知山線脱線転覆事故事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 本件は、平成17年の福知山線の脱線転覆事故の刑事事件である。JR西日本の歴代3名の社長らが起訴されたがいずれも無罪となった。 2 何があったか? 本件脱線事故は、平成17年4月25日午前9時18分、福知山線の半径304㎞... -
【刑事事件:IP電話回線利用サービスが特殊詐欺に利用された事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 本件の被告人は、IP電話回線利用サービスの提供会社の業務全般を統括していたが、従業員らと共謀し、氏名不詳者らによって特殊詐欺に利用されることを認識しながら同サービスを提供したとして、詐欺の幇助罪に該当することを認... -
【刑事事件:昭和48年大洋デパート火災事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 本件は、昭和48年大洋デパート火災事件であり、死者103人、負傷者121人を出し、人事部長、売り場第3課長(3階火元責任者)、営繕部営繕課課員(防火管理者)の3名とも無罪となった。ともに起訴されたオーナー社長は第1審公... -
【刑事事件:昭和47年の千日デパート火災事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 本件は、昭和47年の千日デパート火災事件であり、死者118人、負傷者81人を出し、ビル管理部課長(防火管理者)が禁固2年6月、執行猶予3年、キャバレー代表取締役(管理権原者)及び同支配人が各禁固1年6月、執行猶予2年の各判... -
【刑事事件:川治プリンスホテル雅苑火災事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 本件は、昭和55年川治プリンスホテル雅苑火災事件であり、死者45人、負傷者22人を出し、社長(管理権原者)は宇都宮地裁昭和60年5月15日確定の判決で禁固2年6月、執行猶予3年の判決を受け、専務(管理権原者)は、本件最高裁... -
【刑事事件:宝塚カラオケボックス「ビート」火災事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? カラオケ店は、消防法2条②、③、同施行令別表第一㈡ないし㈢の防火対象物、消防対象物であり、その経営者は消防法7条、2条④の関係者(所有者、管理者、占有者をいう。)、同法8条の管理権原者として、防火管理者(要資格)を定め... -
【刑事事件:平成14年中座解体工事ガス爆発事故】
刑事事件
1 ポイントは何か? 本件は、演芸場として親しまれた大阪の中座の解体工事でガス爆発事故が起き、解体工事の元請け会社の従業員と、大阪ガスの下請けでガスパージ工事を請負った会社の従業員(被告人)が火傷を負い、被告人に注意義務違反があったと... -
【中小企業協同組合:タクシー事業協同組合が総代会で一部の協同組合員を除名した事件】
中小企業法務
1 ポイントは何か? 中小企業協同組違法に基づいて設立されたタクシー事業協同組合の総代会において労働組合に協力的な協同組合員を除名したが、裁判所が除名の効力を認めなかった事件である。 2 何があったか? タクシー事業協同組合が総代会... -
【不動産の贈与:不動産を建築し出来上がりと同時に贈与した事件】
契約
1 ポイントは何か? 本件は、建物の贈与契約の取消しの可否に関する事件である。裁判所は、建物の贈与契約についての民法550条但し書きの解釈として、建物の所有権が移転しても、占有の移転の前であれば、贈与契約を取消すことができるとする。そ... -
【内縁解消:その後の争いとして第三者に対する相殺の意思表示をした事件】
離婚・男女問題
1 ポイントは何か? 本件は、内縁解消後の争いである。内縁の当事者の一方Dが他方Aに対して旅館業に必要な土地の所有権を取得させる諾約を履行不能にしたうえで、AからDへの贈与金をAからBに譲渡し、BからAに請求し、Bの勝訴判決が確定した... -
【介護給付費:眼球しか動かせない重度障碍者について、24時間吸痰体制を確立したとされる事件】
損害賠償請求
1 ポイントは何か? 本件の原告は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)で、同居の妻にも適応障害等があり、松戸市に対し、24時間吸痰体制の確立を求めて「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下「障害者総合支援法」という... -
【刑事事件:公職選挙法違反で罰金30万円追徴30万円の刑に処せられた事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 公職選挙法221条1項4号、1号は選挙協力目的の買収等を3年以下の懲役もしくは禁固又は50万円以下の罰金刑とする。本件は、40名以上の地方議会議員や首長らが取調べを受けた大型公職選挙法違反事件であり、起訴されたうちの... -
【刑事事件:公職選挙法違反で罰金40万円追徴50万円の刑に処せられた事件】
刑事事件
1 ポイントは何か? 公職選挙法221条1項4号、1号は選挙協力目的の買収等を3年以下の懲役もしくは禁固又は50万円以下の罰金刑とする。本件は、40名以上の地方議会議員や首長らが取調べを受けた大型公職選挙法違反事件であり、起訴されたうちの... -
【抵当権事件:抵当権に基づく物上代位権で賃料債権を差し押さえた事件】1
契約
1 ポイントは何か? 本件は、抵当権者が物上代位権に基づく賃料の差押えをした後に。賃貸人と賃借人が、賃借人が賃貸人に対して取得した債権と賃料を対等額で相殺するとの合意をしたが、裁判所は、抵当権者による物上代位の差押えの効力が相殺合意に...
