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【労働事件:定年退職後再雇用後の有期労働契約に基づく賃金が定年前の半額以下になった事件】
1 ポイントは何か? 昭和四十六年法律第六十八号、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律は、定年の引上げや高齢者の再雇用制度の導入を通じて経済や社会の発展に資することを目的にしている。高齢者の再雇用制度の導入は、この目的にかなったもので... -
【労働事件、破産事件:破産管財人が、破産した労働者と元勤務先会社の間の退職金及び未払い給与の相殺合意ないし天引き依頼に対し否認権を行使できるかが問題となった事件】
1 ポイントは何か? 労働者の生活を守るために、退職金や未払い給与からの財形借入金や、銀行や労働金庫の借入金返済費用前払請求権(民法649条、受任者による費用の前払い請求権)の天引きが有効であるかの判断はとくに慎重でなければならない。... -
【労働事件:労働者が退職に際し退職金を放棄する文書に署名し、合理的理由が客観的に存在し有効な意思表示であるとされた事件。色川幸太郎判事の反対意見あり】
1 ポイントは何か? 昭和22年に制定された労働基準法は、人たるに値する最低限度の労働条件を定め、かつさらなる向上を目指すことを求めている(第1条)。賃金全額払いの原則(24条1項本文)、賃金と前借金の相殺の禁止(17条)もそうである。本... -
【労働事件:労働者が退職金の不利益変更に自由な意思で同意したか否かについては慎重な検討を必要とするとされた事件】
1 ポイントは何か? 労働契約の基準の変更については労働者の自由な意思が守られるように配慮することが必要である。 本件は、A信用組合が経営破綻を回避するために、B信用組合と合併し、A信用組合の管理職や職員も、B信用組合に引き継がれた。... -
【刑事事件:窃盗実行役と見張り役で分担してドラッグストアで窃盗を実行したが、店員に追われた結果、二人で暴力をふるい、二人とも強盗致傷罪となった事件】
1 ポイントは何か? A及びDと窃盗を共謀した被告人Bが、被害者Cに首を押さえつけられ、Bから助けを求められたAがCに加えたCの抵抗を抑圧する程度の暴行傷害により、BはAと共に強盗致傷罪の共同正犯になるかが争われ、最高裁判所は、そうなるこ... -
【刑事事件:覚せい剤の不正な輸出入や製造を業として行ったとして処罰された事件】
1 ポイントは何か? 覚せい剤取締法41条1項は、不正輸出入、製造等を罰し、営利目的があった場合は刑が重くなるが、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(... -
【刑事事件:覚せい剤を4回以上の多数回にわたり密売し。業としたとして加重処罰された事件】
1 ポイントは何か? 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(以下、「特例法」という。)5条違反の罪(以下、「本罪」という。)は、規制薬物の譲渡等を「業と... -
【刑事事件:覚せい剤譲渡契約を締結し、代金を受け取り、品物を郵送したが届かなかった事件】
1 ポイントは何か? 刑の種類には死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料などの主刑と、付加刑としての没収がある(刑法9条)。没収は、犯罪に関係する物やその対価を被告人から取り上げることで(同19条)、物や対価を没収できない時は価額を追徴す... -
【損害賠償請求事件:建物解体作業に従事し石綿肺等にり患した作業員から建材メーカーに損害賠償請求した事件】
1 ポイントは何か? 石綿粉じん暴露により石綿肺、肺がん、中皮腫等が発症しうるとの知見は昭和48年ころまでには国際機関等により公表されていた。本件では、建物解体作業に従事した者らと建材メーカーとの間で、建物建材メーカーが石綿含有建材を... -
【子の監護者の定め:祖母が自分を孫の監護者に指定するように求めた事件】
1 ポイントは何か? 父母が離婚するときは、その協議によりその一方を子の親権者に定めなければならないが(民法819条)、子の監護者は、父母の協議で定めるとされているが、父母のいずれかでなければならないとは定められていない(同766条)。... -
【遺産関係:夫の父の療養看護をした妻が夫の弟に特別寄与料の分担を請求した事件】
1 ポイントは何か? 無償で被相続人の療養看護をし、被相続人の財産を維持増加した親族(相続人、相続放棄者、欠格者,被廃除者は除く。)は、特別寄与者として、相続人に対し寄与に応じた額の特別寄与料の請求をすることができる(民法1050条1項)... -
【遺言書の効力:遺言書の文面全体に赤斜線を引いた行為が遺言書の破棄に当たるとされた事件】
1 ポイントは何か? 遺言者が遺言書を故意に破棄した時は遺言の撤回とみなされる(民法1024条)、本件は、文面全体にひかれた1本の赤斜線は遺言尾撤回に当たるとされた事件である。 2 何があったか? Aの作成した用紙1枚の自筆証書遺言... -
【遺言書の効力:自筆証書遺言に花押を用いたが、押印とは認められなかった事件】
1 ポイントは何か? 自筆証書遺言は要式行為であり、全文(最近の法改正で、財産目録は別)、日付、氏名を自書し押印しなければならない(民法968条)。本件は、押印の代わりに花押が用いられていたが、押印の要件を満たさないとされた。 2... -
【遺言の効力:遺言者が本文、氏名を自書し押印し、その8日後に当日の日付を自書した自筆証書遺言書の効力が争われた事件】
1 ポイントは何か? 遺言書の日付はその成立時期を明確にするためであるから真実遺言書が成立した日付であるべき。では、遺言書は、いつ成立したとみるべきか。本事例では、自筆証書遺言の遺言者が全文、氏名を自書し押印し、後日に日付を自書したが... -
【遺言の効力:遺言者が本文、日付、氏名を自書し、その27日後に弁護士が立ち会いのもと押印した自筆証書遺言書の効力が争われた事件】
1 ポイントは何か? 遺言書は要式行為であり、自筆証書遺言は、全文、日付、氏名を自書し、押印しなければならない(民法968条)。その目的は、遺言者の真意を確保することにある。日付が真実の作成日ではない場合はどうか。本件判例は、原則は無... -
【老齢年金:老齢年金(国民年金の老齢基礎年金及び厚生年金の老齢厚生年金)の減額改定を争った事件】
1 ポイントは何か? 本件は、厚生労働大臣による老齢年金(国民年金法上の老齢基礎年金及び厚生年金保険法上の老齢厚生年金)の平成25年以降の年金額減額決定の効力が争われ、年金受給者が敗訴した事件である。 2 何があったか? 老齢年金制... -
【刑事事件:平成17年福知山線脱線転覆事故事件】
1 ポイントは何か? 本件は、平成17年の福知山線の脱線転覆事故の刑事事件である。JR西日本の歴代3名の社長らが起訴されたがいずれも無罪となった。 2 何があったか? 本件脱線事故は、平成17年4月25日午前9時18分、福知山線の半径304㎞... -
【刑事事件:昭和48年大洋デパート火災事件】
1 ポイントは何か? 本件は、昭和48年大洋デパート火災事件であり、死者103人、負傷者121人を出し、人事部長、売り場第3課長(3階火元責任者)、営繕部営繕課課員(防火管理者)の3名とも無罪となった。ともに起訴されたオーナー社長は第1審公... -
【刑事事件:昭和47年の千日デパート火災事件】
1 ポイントは何か? 本件は、昭和47年の千日デパート火災事件であり、死者118人、負傷者81人を出し、ビル管理部課長(防火管理者)が禁固2年6月、執行猶予3年、キャバレー代表取締役(管理権原者)及び同支配人が各禁固1年6月、執行猶予2年の各判... -
【刑事事件:川治プリンスホテル雅苑火災事件】
1 ポイントは何か? 本件は、昭和55年川治プリンスホテル雅苑火災事件であり、死者45人、負傷者22人を出し、社長(管理権原者)は宇都宮地裁昭和60年5月15日確定の判決で禁固2年6月、執行猶予3年の判決を受け、専務(管理権原者)は、本件最高裁... -
【中小企業協同組合:タクシー事業協同組合が総代会で一部の協同組合員を除名した事件】
1 ポイントは何か? 中小企業協同組違法に基づいて設立されたタクシー事業協同組合の総代会において労働組合に協力的な協同組合員を除名したが、裁判所が除名の効力を認めなかった事件である。 2 何があったか? タクシー事業協同組合が総代会... -
【不動産の贈与:不動産を建築し出来上がりと同時に贈与した事件】
1 ポイントは何か? 本件は、建物の贈与契約の取消しの可否に関する事件である。裁判所は、建物の贈与契約についての民法550条但し書きの解釈として、建物の所有権が移転しても、占有の移転の前であれば、贈与契約を取消すことができるとする。そ... -
【内縁解消:その後の争いとして第三者に対する相殺の意思表示をした事件】
1 ポイントは何か? 本件は、内縁解消後の争いである。内縁の当事者の一方Dが他方Aに対して旅館業に必要な土地の所有権を取得させる諾約を履行不能にしたうえで、AからDへの贈与金をAからBに譲渡し、BからAに請求し、Bの勝訴判決が確定した... -
【抵当権事件:抵当権に基づく物上代位権で賃料債権を差し押さえた事件】2
1 ポイントは何か? 建物所有者が建物に抵当権を設定して金融機関から金を借りたが、返せなくなった。抵当権者である金融機関は、抵当建物を差押さえて競売に付することもできるが、物上代位権を行使して、建物所有者の建物賃借人に対する賃料債権を... -
【団体関係事件:土地家屋調査士会の社員総会決議が無効とされた事件】
1 ポイントは何か? 土地家屋調査士会は土地家屋調査士として業務を行う者が加入を強制される団体であるから、社員の除名等の懲戒処分についての総会決議は慎重でなければならない。本件は、除名の懲戒処分を受けた社員が総会決議の無効を主張し、裁... -
【刑事事件:境界標の丸太を根元から切り倒した事件】
1 ポイントは何か? 境界損壊罪は土地の境界を認識できないようにする罪であり(刑法262条の2)、器物損壊罪(同262条)とは区別される。本件は、境界標の丸太を根元から切り倒したが、根本が残り、境界を認識できないことはなかったので、境... -
【証拠開示事件:民事損害賠償請求事件の被告が不法行為のないことを立証するため検察官に刑事裁判に提出しなかった捜査関係文書の開示を求めた事件】
1 ポイントは何か? 民事事件で証拠となる法律関係文書を第三者が保持している場合は、その第三者に対して開示を求めることができるが(民事訴訟法220条2条ないし3条)、刑事裁判に関係する文書は刑事公判において開示する以外は原則不開示であ... -
【公職選挙法刑事事件:被告人が選挙期間、文書図画頒布の制限規定に違反した事件】最高裁令和5(あ)976
1 ポイントは何か? 公職選挙法は選挙期間及び文書図画頒布の制限規定を設けている。本件は、被告人がこれら規定に違反して選挙運動を行い、刑事責任を問われた事件であり、最高裁判所は従前どおり、これらの制限規定は憲法の保障する基本的人権であ... -
【高校校則違反事件:高校生がいわゆるバイク3ない原則の校則に違反して自首退学勧告を受けて退学した事件】
1 ポイントは何か? 原告は高校生であり、自主退学勧告を受けて退学願を提出した。本件自主退学勧告は憲法に違反すると主張し、学校法人に対し損害賠償請求をしたが、裁判所は、憲法上の人権は、国や公共団体と個人との関係を律するものだとし、原告... -
【専門学校校則違反事件:専門学校の学生が信仰を理由に剣道実技の必須授業を拒否して進級停止、退学命令処分を受けた事件】
1 ポイントは何か? 高等専門学校の校長には進級拒否処分や退学命令処分について教育的裁量権があるが、本件は、高等専門学校の学生が信仰上の理由から体育の必須授業とされた剣道実技を拒否したことにより同校の学則に基づいて進級停止、退学命令処... -
【大学校則違反事件:大学生が、署名活動に事前届出制、学外の団体加入に許可制を定める校則に違反して退学処分となった事件】
1 ポイントは何か? 大学生らが大学法人を相手に退学処分の取消しを求めた訴訟であり、裁判所は、憲法の私人間への適用を認めず、大学に、学生の懲戒権について、それぞれの校風と教育方針に基づく広い裁量権を認めた事例である。 2 何があったか? ... -
【高校校則違反事件:女子高校生が運転免許取得制限、パーマ禁止などの校則に違反し自主退学勧告を受けた事件】
1 ポイントは何か? 本件原告は高校女子部の学生であったが、自動車運転免許取得の制限やパーマを禁止する校則に違反し自主退学勧告を受けたことが憲法の人権規定に違反するとして高等学校卒業認定等を求めた事件である。 2 何があったか? 高... -
【行政処分事件:映画制作会社が映画出演者のコカイン使用による有罪判決にもかかわらず芸術文化振興基金の助成金を勝ち取った事件】最高裁判決
1 ポイントは何か? 映画制作会社が、独立行政法人日本芸術文化振興会理事長に対し映画の制作についての助成金交付要望書を提出したところ、同会の芸術文化振興基金運営委員会はこれを採択するとの答申をし、内定を通知したのに、理事長が支給しない... -
【行政処分事件:映画制作会社が映画出演者のコカイン使用による有罪判決にもかかわらず芸術文化振興基金の助成金を請求したが敗訴した事件】東京高裁判決
1 ポイントは何か? 映画「宮本から君へ」の制作活動について出演者のひとりがコカイン使用で有罪となったことから、同出演者の出演時間は129分の内11分に過ぎないがストーリーの上で重要な役割を果たしている等からみて、同映画への助成金の支... -
【破産関連事件:自動車購入代金を立替えた信販会社が留保所有権の別除権に基づいて民事再生を申立てた自動車購入者に自動車の引渡しを請求した事件】
1 ポイントは何か? 自動車購入代金を立替えた信販会社が、立替金の支払いと引替えに販売会社から留保所有権の譲渡を受け、購入者に対する立替金分割返済請求権等を担保するために設定した留保所有権に基づいて、分割返済を停止し民事再生を申立てた... -
【破産関連事件:自動車購入者の連帯保証人が販売会社の留保所有権を法定代位し別除権に基づいて自動車購入者の破産管財人から自動車を取り戻した事件】
1 ポイントは何か? 自動車販売会社が留保所有権を持ち、所有者として登録され、使用者として登録されている割賦による購入者の代金弁済が遅滞し、連帯保証人が連帯保証契約に基づき残代金を支払って販売会社に法定代位して留保所有権を取得した場合... -
【破産事件:破産者が検察による起訴が名誉棄損であるとして国家賠償請求した事件】
1 ポイントは何か? 本件は、破産者が検察庁から起訴されたのは名誉棄損であるとして国家賠償請求をする事件で、一身専属性があるとして破産者本人による訴訟遂行権を認め、破産者が同訴訟係属中に死亡し一身専属性を失っても、破産手続きが結了後の... -
【不服申立不可の事件:逃亡犯罪人引渡法に基づく仮拘禁許可状に対する特別抗告はできないとされた事件】1
1 ポイントは何か? 憲法34条は抑留・拘禁に対する人権を定めている。国際刑事裁判所協力法(平成19年法律37号)34条、35条に定めがある仮拘禁許可状とは、法務大臣が外務大臣から要請を受けた時に東京高等検察庁から申立てて東京高等裁判... -
【交通事故損害賠償事件:示談成立後に予想外の損害が判明した事件】
1 ポイントは何か? 当事者間で、事後には一切の要求をしない旨の示談が成立した場合、一般的には事後の請求はできない。しかし、事後に示談の時には全く予想外の損害が生じていることが判明した場合には追加の損害賠償請求ができるとした事例である... -
【後遺症、後遺障害:業務上過失傷害罪】
1 ポイントは何か? 業務上過失傷害罪で起訴された被告人が、見通しの悪い私有地から道路に出る際に一旦停止して左右の安全を確認しなかったが、私有地でも一般の道路とみなされる場合は交通整理の行われていないT字路の右角にすみきりがあるのと同... -
【交通事故損害賠償:外傷性頭頚部症候群に過失相殺の規定を類推適用した事件】
1 ポイントは何か? 損害賠償法の理念は損害の衡平な分担にあるが、交通事故により受けた外傷性頭頸部症候群の傷害の損害賠償請求に民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して損害拡大に寄与した被害者側の事情を斟酌し、その損害を事故後3年... -
【交通事故刑事事件:信号無視が主位的訴因、自車周辺不注視が予備的訴因とされた事件】
1 ポイントは何か? 検察官が起訴した本位的訴因に予備的訴因を追加し、第1審で予備的訴因によって有罪となった被告人のみが控訴した場合でも本位的訴因は消えず、その後の裁判の対象となるとされた事例である。 2 何があったか? 検察官が起訴状... -
【交通事故損害賠償事件:交通事故の被害者が自殺した事件】
1 ポイントは何か? 損害賠償請求は事故と相当因果関係のある損害に限られるが、本件は交通事故と被害者の自殺に相当因果関係があることを認めたうえで相応の減額をして遺族らによる損害賠償請求を認容した事例である。 2 何があったか? 昭和... -
【医療過誤事件:左脛骨高原骨折後の手術とギプス固定により下肢深部静脈血栓症を発症し、左下肢静脈血栓後遺症となった事件】
1 ポイントは何か? 本件は、患者が医師に対し、治療当時、もはや打つ手がないとしても、一般的な医療水準の範囲内で最も適切な治療を受けられるように別の専門医の紹介を受けることなどを期待する権利があるかが争われた事案である。 2 何があっ... -
【倒産事件:倒産会社の債権者集会において債権者委員会が選任された事件】
1 ポイントは何か? 破産手続の最高意思決定機関は債権者集会であるが、そこで債権者委員会が選任された場合の同委員会の権限をどう考えるかが問題となった。 2 何があったか? 倒産したD工務店の債権者集会で債権者委員会が選任された。 3 裁... -
【倒産事件:平成16年破産法制定前の事件で破産宣告後に国税滞納処分による差押処分が行われた事件】
1 ポイントは何か? 破産宣告後の国税滞納処分による差押処分は無効。 2 何があったか? 破産者Aは、破産宣告前に国税を滞納していた。税務署が破産宣告後にAに交付要求をし、破産管財人の保管中の定期預金の差押処分をした。 3 裁判所は... -
【倒産事件:債権届出をしていなかった債権者が破産債権者相手の訴訟で受継の申立てをした事件】
1 ポイントは何か? 例えば訴訟の当事者が訴訟能力を失ったとき訴訟は中断するが、能力を回復した時は訴訟を受継する(民事訴訟法124条1項3号)。 2 何があったか? D建設株式会社が破産宣告を受け、破産管財人Eが選任された。Aは、債... -
【倒産事件:倒産会社に対する損害賠償請求権を債権者委員会の代表者会社に信託譲渡した事件】
1 ポイントは何か? 債権者委員会と信託譲渡を利用した倒産処理が行われた。 2 何があったか? AがD商店の物件を無断売却し、損害を与えた。Aは倒産し、Dは、同損害賠償請求権をAの債権者集会の債権者委員会の委員長であるB社に信託譲渡... -
【倒産事件:債権者集会で長老格の債権者が答案会社と他の債権者らとの話合いの労をとった事件】
1 ポイントは何か? 債権者集会で話合いのあっせんの労をとった長老格の債権者に他の債権者らの代理権があるかが問題となった。 2 何があったか? 倒産会社A社の債権者集会が開かれた席上訴外DがA社とA社の問屋筋との話合いのあっせんの労... -
【倒産事件:債権者が倒産会社に詐害行為取消権を行使した事件】
1 ポイントは何か? 倒産会社が破産宣告前に特定の債権者に弁済したことが通謀による詐害行為取消の対象になるか。 2 何があったか? D建設が倒産し、破産宣告を受ける前にD円設支店長Fが特定の債権者Aから暴力を振るわれ強請されて弁済した...