- その他 (22)
- インターネット (3)
- 中小企業法務 (31)
- 交通事故 (29)
- 債務整理 (25)
- 刑事事件 (154)
- 労働問題 (48)
- 医療 (3)
- 契約 (34)
- 損害賠償請求 (69)
- 未分類 (1)
- 特許・著作権 (13)
- 行政・年金 (43)
- 遺言、相続 (27)
- 離婚・男女問題 (24)
判例要約
-
【賃貸借契約:農地の賃貸借契約を解除しようとした事件】
【】 知事による農地法18条1項に基づいた農地の賃貸借契約の解除の許可処分に付された条件の適法性。 【】 大阪府知事が、賃貸人が賃借人に適正な離作料を支払うことを条件として農地法18条1項に基づいた農地の賃貸借契約の解除の許可... -
【賃貸借契約:建物の賃貸人が賃借人に賃貸借契約の履行不能を理由とする明渡請求をした事件】
【】 仮換地指定等により建物賃貸借契約が履行不能になったか。 【】 名古屋市長が、土地区画整理法に基づく仮換地指定をし、賃貸建物の所有者に建物を曳行するよう命じた。 賃貸人は賃借人に対し、仮換地... -
【刑事事件:刑務所に戻るために無関係の2人をトラックで殺害した事件】
【1 ポイントは何か?】 死刑か無期懲役か。 【2 何があったか?】 刑期を終え出所したが、刑務所に戻りたいと考えたAが、窃取したトラックを無免許運転し、全く無関係の2名の被害者B及びCをはねて死亡させた。 【3 裁判所は何を認めたか?... -
【刑事事件:規制薬物である大麻等を譲受け、所持した事件】
【1 ポイントは何か?】 量刑 【2 何があったか?】 Yは、⑴規制薬物である麻薬(別名MDMA)8錠、大麻様の液体及び大麻様のもの合計7.3グラム、麻薬(別名LSD)6枚等を4回にわたりレターパックライトで郵送させて譲受け、⑵自宅で... -
【取得時効:被相続人の自筆証書遺言があることを知らずに単独相続の登記をした養子が不動産を時効取得した事件】
【1 ポイントは何か?】 自筆証書による包括受遺者の相続回復請求権は取得時効を覆すか。 【2 何があったか?】 被相続人Zが、自筆証書遺言で、養子Y以外に甥のX及びAにも不動産持分を同等に分与する自筆証書遺言を残していたが、Xはそれ... -
【犯罪被害者給付金:同性事実婚の関係にある者から犯罪被害者給付金を請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 同性事実婚の関係にある者が公安委員会に犯罪被害者給付金を請求できるか。 【2 何があったか?】 犯罪被害により死亡したAと同性事実婚の関係にあったXから愛知県公安委員会に対し、犯罪被害者遺族給付金の支給を求め... -
【医療法人:臨時社員総会の招集許可申立てが却下された事件】
【1 ポイントは何か?】 医療法人の理事長が、一定数の社員の臨時社員総会招集の請求があったにもかかわらず、招集手続きを行わない場合に、どうすればよいか。 【2 何があったか?】 医療法人Aの理事長Yは、Xら一定数の社員が臨時社員総会の... -
【損害賠償:第二次世界大戦中に華北地方から日本に強制連行され強制労働に従事させられた事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、第二次世界大戦中に、中国華北地方から強制連行され強制労働に従事させられた中国人らが、日本の企業に対し安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求した事件である。最高裁判所は、日本では条約扱いされていない日... -
【消費者の財産的被害:ウェブサイトで「仮想通貨バイブルDVD5巻セット」等を販売した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は「消費者契約法」上の「特定適格消費者団体」による「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」に基づく「共通義務確認の訴え」である。同訴えについては、請求を認める判決を下し... -
【自動車所有権:自動車を、引渡し判決の仮執行宣言で回収した事件】
【1 ポイントは何か?】 自動車の譲渡に即時取得(民法192条)の適用はあるか。 【2 何があったか?】 X社が昭和28年1月13日、本件自動車(以下、「自動車」という。)を登録した。その後、登録の変更はない。 X社がKに、昭和2... -
【国家賠償:刑務所に服役中のナイジェリア人が、運動中にバランスを崩して転倒し、左肘を負傷した事件】
【1 ポイントは何か?】 刑事施設の長は、被収容者の健康を保持する義務を負い、被収容者が怪我を負った場合、社会一般の医療水準に基づく適切な医療上の措置を講じなければならない(刑事収容施設法)。本件は、刑務所に服役中のナイジェリア人が、... -
【国家賠償:名古屋市交通局の若年嘱託職員が上司のハラスメントに遭い自殺した事件】
【1 ポイントは何か?】 裁判所が、原告及び被告双方の主張を対照し、公務労働者の自殺の原因が何であったかという事実問題、そこに介在する軽度うつ病の発症という医学的問題、そして使用者の安全配慮義務違反や国家賠償法上の違法の有無等という法... -
【懲戒処分:水族館を経営する株式会社の課長代理2名が女性従業員らに対するセクハラで出勤停止の懲戒処分を受け、降格された事件】
【1 ポイントは何か?】 会社の課長代理ら2名が会社の就業規則、セクハラ禁止文書に違反してセクハラを行ったとして、出勤停止の懲戒処分を受け、資格等級制度規程に基づき降格となり、最高裁判所は、会社には懲戒権や人事権の濫用はなく、出勤停止... -
【損害賠償請求事件:インターネットで名誉を侵害した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、インターネットのツイッター(現「X」)の投稿で名誉を侵害されたとして不法行為に基づく損害賠償請求をした事件であり、被告は請求原因については特に争わなかったが、裁判所が適正な損害額について判断を下した。... -
【刑事事件:晴天の湖上で、プレジャーボートが、ライフジャケットを着て浮かんでいた親子3名をプロペラに接触させた事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、晴天の湖上で、プレジャーボートの船長が、カラフルな帽子とライフジャケットを着て浮かんでいた親子3名にプロペラを接触させ、死亡等させたことにつき、操縦に必要な注意義務を怠ったとして実刑に処せられた事件で... -
【刑事事件:闇バイトに応募し、氏名不詳者が上位者の犯罪グループに加わり、しだいに上位者に近い存在になっていく事件】
【1 ポイントは何か?】 インターネットでの闇バイト募集に応募して強盗目的の建造物侵入未遂事件に加わった被告人が、その後次々と営利略取、強盗などの事件を起こし、懲役12年の実刑に処せられた。 【2 何があったか?】 公務執行妨害、傷害... -
【刑事事件:密漁底曳網漁船が漁業取締船に追突し沈没させた事件】
【1 ポイントは何か?】 漁業取締船が夜間、灯火を消して密漁底曳網漁船に接近し、サーチライトを照らしたところ密漁底曳網漁船が逃走し、迷走して漁業取締船に追突覆没させたので、密漁底曳網漁船の操縦者等が漁業法違反、艦船覆没、公務執行妨害等... -
【離婚慰謝料:離婚慰謝料請求の根拠が問題となった事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、日本国憲法、民法の新家族法制定後間もないころの、離婚の慰謝料請求権の根拠と、財産分与請求権との関係が問題となった事件であり、最高裁判所は、両請求権のいずれかを選択して請求することもできるとし、離婚の慰... -
【刑事事件:水上オートバイ同士が衝突した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、水上オートバイを無免許運転していて、運転を誤り、他のゴムボートを曳航していた水上オートバイのゴムボートに衝突し、ゴムボートに乗っていた4人のうち2人が死亡し、他の2人も負傷した事件であり、船舶職員及び... -
【刑事事件:押船が作業台船を押しながら航行中に、不注意で、漁撈中の漁船に衝突し、漁船を破壊し、漁船の船長を溺死させた事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、押船が作業台船を押しながら航行中に、不注意で、漁撈中の漁船に衝突し、漁船の船長を溺死させた事件であり、押船の船長が業務上過失往来妨害罪、業務上過失致死罪で有罪とされた。漁船が漁撈中であったか、事故の主... -
【損害賠償:車いすでも投票所に行くことが困難となり、在宅投票制度を復活させない立法不作為の不法行為に基づく国家賠償を請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、車いすにも乗ることが困難になった人が、在宅投票制度を復活させない立法不作為の不法行為に基づく国家賠償を請求した事件であるが、裁判所は、国会は個別の国民との関係で法的責任を負うものではないとして棄却した。 ... -
【海難事故:船だまりからの出航船と入港船が海上で衝突した事件】
【1 ポイントは何か?】 船だまりからの出航船と入港船が海上で衝突し、海難審判所は、出航船が無灯火であったことが事故の原因であるとして、出航船の船長に対し、小型船舶操縦士の業務を停止する懲戒の採決を下した。入港船の船長は不処分であった... -
【損害賠償:建物購入者が設計者及び施工者らに瑕疵修繕代金相当額の不法行為に基づく損害賠償を請求した事件の第2次上告審判決】
【1 ポイントは何か?】 最高裁平成17年(受)第702号同19年7月6日第二小法廷判決(原判決破棄差戻)・民集61巻5号1769頁を第1次上告審判決とする第2次控訴審は、第1次上告審判決が建物の瑕疵の判断基準として示した「建物としての基... -
【損害賠償:新築建物の買主が、その設計および工事管理をした建築士に対し、損害賠償請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、新築建物の買主から、建物の設計および工事管理をした建築士に対し、建物の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求をした事件であり、裁判所は、建築士が建物の買主に対しても不法行為に基づく損害賠義務を負うとした。 【2... -
【損害賠償:建築主が、行政指導のために建築確認を留保していた建築主事に職務上違法があるとして国家賠償請求をした事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、建築主が、土木事務所に建築確認申請をしたところ、紛争調整担当職員が地域住民と協議するよう行政指導し、建築主も了解の上、建築主事が建築確認を留保していたところ、建築主がこれ以上は建築確認の留保には応じら... -
【損害賠償:新築建物の購入者が、一級建築士を代表者とする建築設計会社に対し、工事監理者として届出をしているのに、建築主兼施工者の違法な手抜き工事を放置したとして損害賠償請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 設計の依頼を受けた設計会社の代表者である一級建築士が、設計し、建築主の建築確認申請を代理し、工事監理者となる届出をし、土木事務所の建築主事から建築確認を受けた。ところが、建築主が、その一級建築士と工事監理契約... -
【損害賠償:建築物の建築主が、建築主事の違法な建築確認によって改修工事費用の損害を被ったとして京都府に損害賠償請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 ビジネスホテルの建築主が、一級建築士に依頼して設計し、京都府の土木事務所に建築確認申請をしたところ、土木事務所の建築主事が建築士が作成した構造計算書に耐震偽装があったのに看過して建築確認をした。建築主は、建築... -
【刑事事件:車両を被害店舗の屋上駐車場に止め、店内で雑誌、菓子、カーペットなど1万円超相当額の商品をカートに入れて、精算せずに駐車場まで運んで万引きした事件】
【1 ポイントは何か?】 被告人は、ウェルニッケ・コルサコフ症候群(「コルサコフ症候群」と呼ばれる栄養障害性脳障害である。)、摂食障害、アルコール依存症、クレプトマニア(窃盗症)、PTSD等の精神障害がある。被告人は、前回の万引きで受けた... -
【刑事事件:スーパーマーケットで食料品を合計93点、3万6135円分万引きした事件】
【1 ポイントは何か?】 被告人は、クレプトマニア(窃盗症)である。万引で2回目までの起訴では、いずれも執行猶予付きの判決を受けたが、3回目は実刑判決となった。弁護人は、量刑が重すぎると主張したが、裁判所は、犯行は大胆であり、常習性も... -
【住民訴訟:市が非常勤職員に退職慰労金を支払ったことは給与条例主義に違反しているとして住民訴訟が提起された事件】
【1 ポイントは何か?】 本件は、大阪府大東市の市長らが、市の要綱に基づいて非常勤職員らに退職慰労金を支払ったことが、地方自治法の給与条例主義(204条3項、204条の2等)に反しているとして、市の執行機関に対し、市長らに損害賠償請求... -
【損害賠償:建物新築時の評価額に誤りがあり、その後長期にわたって過大な固定資産税及び都市計画税を支払い続けてきた事件】
【1 ポイントは何か?】 国家賠償法に基づく損害賠償請求権も、不法行為の時から20年の除斥期間(国家賠償法4条、民法724条)が経過すると消滅する。本件は、東京都23区内のある建物新築時の評価額の東京都知事による決定と固定資産税及び都... -
【交通事故:内縁の夫の運転する自動車の助手席に同乗していた内縁の妻が自動車同士の出合い頭の交通事故で負傷した】
【1 ポイントは何か?】 交通事故において、被害者と一体関係にある者の過失は、被害者側の過失として考慮されるとすれば、内縁関係にある者同士の場合はどうか。本件は、内縁の夫が運転する車の助手席にいた内縁の妻から交通事故の相手方車両の運転... -
【国家賠償、不法行為損害賠償事件:森友学園への国有地払下げで、財務省理財局長らの国会対応との整合性をはかるため、上司から文書改ざんを指示された近畿財務局職員が、過労等で自殺した。その妻が、国と理財局長を相手に損害賠償請求をした】
【1 ポイントは何か?】 森友学園は小学校の敷地用に国有地の払い下げを受けたが、代金が相当に低く、国会で、内閣総理大臣をはじめ厳しく追及された。財務省理財局長の国会対応との整合性を図るため、上司から文書改ざんを指示された近畿財務局職員... -
【刑事事件:現住建造物放火で起訴された被告人が無罪となった事件】
【1 ポイントは何か?】 「疑わしきは被告人の利益に」が刑事裁判の鉄則である。本件は、現住建造物放火で起訴された被告人が、状況証拠から犯人であると断定するには合理的疑いが残り、しかも新たな証拠が出てくるとも考えられないとして無罪判決が... -
【国籍取得:両親が結婚していなくても、日本人の親が18歳未満の子を認知し法務大臣宛に国籍取得届をすれば日本国籍を取得するとした事件】
【1 ポイントは何か?】 国籍法は、出生、認知、帰化の3種類の国籍取得方法を定めている。認知による国籍取得は、現在の国籍法では、日本人の親が18歳未満の子を認知し、法務大臣に国籍取得届をすればよい(2条1号)。しかし、旧規定では、認知... -
【労働事件:鳴門市の公営企業である競艇場の共済会が臨時従事員の離職の際に離職餞別金を支払っていたが、市が共済会にそのために交付していた補助金が違法だとされた事件】
【1 ポイントは何か?】 平成22年ころ、鳴門市の競艇場を経営する公営企業の臨時従事員が離職するとき、公営企業の共済会が離職餞別金を支払っていた。その財源は鳴門市から共済会に対する補助金交付であったが、同年の補助金交付について、鳴門市... -
【労働事件:定年退職後再雇用後の有期労働契約に基づく賃金が定年前の半額以下になった事件】
【1 ポイントは何か?】 昭和四十六年法律第六十八号、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律は、定年の引上げや高齢者の再雇用制度の導入を通じて経済や社会の発展に資することを目的にしている。高齢者の再雇用制度の導入は、この目的にかなったも... -
【労働事件、破産事件:破産管財人が、破産した労働者と元勤務先会社の間の退職金及び未払い給与の相殺合意ないし天引き依頼に対し否認権を行使できるかが問題となった事件】
【1 ポイントは何か?】 労働者の生活を守るために、退職金や未払い給与からの財形借入金や、銀行や労働金庫の借入金返済費用前払請求権(民法649条、受任者による費用の前払い請求権)の天引きが有効であるかの判断はとくに慎重でなければならな... -
【労働事件:労働者が退職に際し退職金を放棄する文書に署名し、合理的理由が客観的に存在し有効な意思表示であるとされた事件。色川幸太郎判事の反対意見あり】
【1 ポイントは何か?】 昭和22年に制定された労働基準法は、人たるに値する最低限度の労働条件を定め、かつさらなる向上を目指すことを求めている(第1条)。賃金全額払いの原則(24条1項本文)、賃金と前借金の相殺の禁止(17条)もそうである... -
【労働事件:労働者が退職金の不利益変更に自由な意思で同意したか否かについては慎重な検討を必要とするとされた事件】
【1 ポイントは何か?】 労働契約の基準の変更については労働者の自由な意思が守られるように配慮することが必要である。 本件は、A信用組合が経営破綻を回避するために、B信用組合と合併し、A信用組合の管理職や職員も、B信用組合に引き継がれ... -
【刑事事件:被告人は、共犯者の大麻輸入の受取人を探す手助けをし、覚せい剤を使用、所持した。】
【1 ポイントは何か?】 大麻、覚せい剤、MDMA等の輸入は、各取締法では、輸入ゲートを抜けると同時に既遂となり、関税法、関税定率法上の禁制品であるそれらの輸入としては、税関の手を抜けるまでは未遂である。被告人は、共犯者の大麻、覚せい... -
【刑事事件:覚せい剤を使用した罪で起訴されたが、無罪とされた事件】
【1 ポイントは何か?】 刑事裁判には「疑わしきは罰せず」の原則がある。本件は、覚せい剤使用で起訴された被告人Pが無罪となった事件である。警察官が、Pに対する旅券法違反による逮捕状と捜索差押令状を取得し、Pの自動車内を捜索したところ、... -
【刑事事件:窃盗実行役と見張り役で分担してドラッグストアで窃盗を実行したが、店員に追われた結果、二人で暴力をふるい、二人とも強盗致傷罪となった事件】
【1 ポイントは何か?】 A及びDと窃盗を共謀した被告人Bが、被害者Cに首を押さえつけられ、Bから助けを求められたAがCに加えたCの抵抗を抑圧する程度の暴行傷害により、BはAと共に強盗致傷罪の共同正犯になるかが争われ、最高裁判所は、そうな... -
【刑事事件;18歳で知能レベル6歳程度の知的発達障碍の女性が被害者となった誘拐、強姦致傷事件であり、社会的弱者に対する冷酷、無慈悲、悪質な犯行として実刑判決が下された。】
【1 ポイントは何か?】 本件は、18歳で知能レベル6歳程度の知的発達障碍の女性が被害者となったわいせつ目的誘拐、強姦致傷事件であり、社会的弱者に対する冷酷、無慈悲、悪質な犯行であるとして実刑判決が下された。被告人は、刑事の暴力を受けて自... -
【刑事事件:違法ドラッグを使用し興奮した状況で、両親を突発的に殺害した事件】
【1 ポイントは何か?】 心神喪失状態で犯した犯罪は無罪となる(刑法39条1項)。本件は、被告人が酒と共に危険ドラッグを飲み、父親に注意され、突発的に父母を殺害したが、心神喪失の状態にはなかったとして有罪とされた事件である。また、違法... -
【情報公開:市民団体の名古屋市に対する名古屋城木造再建計画の市政情報の開示請求が一部認められた事件】
【1 ポイントは何か?】 名古屋市情報公開条例(*)は、名古屋市が保有する情報の公開を図り、市民の知る権利を守るために制定された。但し、同条例7条が定める非公開情報に該当する場合は除かれる。本件は、名古屋城天守閣木造復元事業に関し、市... -
【刑事事件:覚せい剤の不正な輸出入や製造を業として行ったとして処罰された事件】
【1 ポイントは何か?】 覚せい剤取締法41条1項は、不正輸出入、製造等を罰し、営利目的があった場合は刑が重くなるが、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法... -
【刑事事件:覚せい剤を4回以上の多数回にわたり密売し。業としたとして加重処罰された事件】
【1 ポイントは何か?】 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(以下、「特例法」という。)5条違反の罪(以下、「本罪」という。)は、規制薬物の譲渡等を「... -
【刑事事件:覚せい剤譲渡契約を締結し、代金を受け取り、品物を郵送したが届かなかった事件】
【1 ポイントは何か?】 刑の種類には死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料などの主刑と、付加刑としての没収がある(刑法9条)。没収は、犯罪に関係する物やその対価を被告人から取り上げることで(同19条)、物や対価を没収できない時は価額を追... -
【損害賠償請求事件:建物解体作業に従事し石綿肺等にり患した作業員から建材メーカーに損害賠償請求した事件】
【1 ポイントは何か?】 石綿粉じん暴露により石綿肺、肺がん、中皮腫等が発症しうるとの知見は昭和48年ころまでには国際機関等により公表されていた。本件では、建物解体作業に従事した者らと建材メーカーとの間で、建物建材メーカーが石綿含有建...